育児と仕事の両立するママ美容師のキャリアとは? 人気サロンの女性美容師4人に聞いた「産休育休を経て変化したこと」

2020.03.24

今までとは「違う人生」を体験したことで、より「寄り添う」スタイルに変化 -MINX 新津百合恵さん

 

 

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産休期間:2017年10月〜12月(約1.5カ月)

育休期間:2017年12月〜2018年12月(約12カ月)

合計期間:約12.5カ月

 

―サロンやお客さまにお伝えした時期は?

サロンへもお客さまへも、安定期に入った6カ月にお伝えしました。産休に入る時期と店舗異動のタイミングが重なったので、お客さまへ復帰の意思を伝えるとともに、店舗移動が済んでお客さまが新しい店舗にきてくれるように、産休規定日ギリギリの9カ月末まで出勤。半休や有給を活用し、無理をしないように気をつけました。

 

―出産前に不安だったことは?

20年間、美容師として毎日、仕事に真剣に向き合ってきたので、長期間サロンワークを離れることに悔いも不安も一切ありませんでした。自身とお客さまの関係という視点ではなく、店舗や引き継いだスタイリストとお客さまの関係がいい状態になるようにと考えていました。

 

―出産前に準備したことは?

お客さまへは日頃のヘアケアや美容師へのオーダーのポイントなどのアドバイスを一人ひとりに向き合ってお伝えしました。また、サロンではカルテの記録、引き継ぎスタイリストへの伝言を徹底。産休・育休に入ってからは、こちらからケアしすぎてスタッフ自身の考える力がなくなってしまわないよう、私からは口出しをしすぎないようにしました。

 

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時短勤務に変更、ハサミを握る一瞬一瞬が重みを増した

 

産休前は10:00〜21:00のフルタイム勤務でしたが、現在は平日は16時まで、土曜日は17時までの時短勤務にしています。

 

出産前はハサミを握るのが生活の一部であるくらい、当たり前のことでした。以前から美容師の仕事を毎日できることがありがたいと思っていましたが、1年間サロンワークを離れてみて、より一層、ハサミを握る一瞬一瞬にありがたみや重みを感じるようになったと思います。

 

育児との両立は、今までのようにいくらでも時間を美容師に費やせるわけではありません。なので、時間と価値に対する意識がより強くなり、お客さまにとっての1時間・2時間を今まで以上に無駄にしないように意識しています。安心して任せたいと思っていただけること、リラックスできる時間と空間、より価値のある技術とセンスを提供できるように努めています。

 

また、産休・育休の期間をただの出産と育児のための期間ではなく、美容師としても自身をパワーアップする期間と捉え、その間に栄養学などを学びました。髪型やヘアケアだけでなく、生活などを通して美容全体を支えていくアドバイスができるようにと思っています。

 

「攻め」から「寄り添う」スタイルに

 

20〜30代の私は、お客さまへの提案や自身のあり方が「攻め」のスタイルでした。少し気を張って「理想」であろうとするイメージです。私自身攻めの気持ちが強かったのもありますし、お客さまも20〜30代の方はそういった「理想」を求める方が多かったと思います。

 

それが、復帰後は、ただ技術が高いだけではなく、希望に寄り添って一緒に作っていくスタイルに変わってきました。出産・育児で「美容を考え仕事に打ち込む毎日」とは違う人生を体験したことで、自身の視野が広がり、よりお客さまに寄り添った仕事を意識するようになったと感じています。

 

「これが、かっこいい」「これが、似合う」だけでなく、どうありたいか、どう見られたいか、あるいは周囲にどう見られているか…ファッションやスタイルに求めるものは、一人ひとり異なります。どっちがいいではなく、その人が好きなほうを選べばいい。そして、その人にとって大切なポイントを汲み取り、悩みに対して先回りして本人だけでは気がつけなかった部分にもアプローチするのが美容師である私の仕事です。

 

美容師は、ヘアを通して相手に寄り添い、そっと肩を押してあげて、「また明日も頑張ろう!」と気持ちよくなっていただける、最高な仕事です!

 

今でもまだまだ修行期間。私自身がこれからもどんどん変わっていき、お客さまに新たな価値を提供し続けたい。だから、常に美容について知識も経験も技術も向上させていきたいと思っています。

 

一生懸命やれば、必ず応援がある! 心おもむくままに挑戦し、楽しむ美容師へ

 

育児をしていると、考えていても思い通りにならないことがたくさんあります。だからこそ、「こうあるべき」よりも「気持ち」を優先した育児をしたいと思っています。

 

そんな毎日を過ごしているうちに、美容師としても考えすぎるよりも心おもむくままにまず行動するような人になりたいと思うようになりました。育児を通して、サロンワークでも以前より気持ちに余裕が生まれているのかもしれません。きっと、育児への思いがサロンワークに影響し、そこで生まれた変化や余裕が子どもとの時間もハッピーにし…と、好循環を生んでいると思います。

 

出産・育児と仕事の両立に限らず、美容師のキャリアの中で不安になることは日々あると思います。でも、何に対しても不安がりすぎずに、大胆にチャレンジしてほしい。一生懸命に取り組む人には、必ず応援してくれる人がついてきてくれます!

 

プロフィール
MINX
執行役員・銀座二丁目店トップデザイナー/新津百合恵(にいつ ゆりえ)

1979年長野県生まれ。ハリウッド美容専門学校卒。2000年MINX入社。2017年に出産し、約1年間の産休育休をへて2018年復職。経験に基づいた的確なカウンセリングと、スピーディで圧倒的な提案力で、多くの顧客から支持を受ける。顧客のリピート率は常に90%以上という驚異的な人気を誇る。

Instagram:@yurielala414

 

<まとめ>

みなさん、産休や育児でこれまでに比べ時間に限りが生まれるからこそ美容師という仕事の魅力を再認識し、ママとしての体験がお客さまとの向き合い方やアドバイスにも生かされているようです。また、仕事を通して気持ちが明るくなり、子育てにもいい影響がある様子。将来、育児と仕事の両立を考えている美容師さんも、彼女たちの話を参考にしながら、子育ても美容師も楽しめる自分のスタイルを築いてくださいね。

 

(取材・文/QJナビDAILY編集部)

 

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