デビューから2年で、ADITION渋谷店代表に。トップスピードでキャリアを築く、室優菜さんのマインドセットとは

前に進むたび壁にぶつかり、模索してきた日々

 

 

─室さんのここまでのキャリアを見ると、かなり順風満帆な歩みに見えますが…。

 

いやいや。ずっとキツかったですし、今もキツイ(笑)。なにが辛いかもよくわからずにいたデビュー前はともかく、スタイリストになってから今日まではずっと悩んで、模索しながらここまで歩んできました。

最初の壁は、スタイリストデビュー後の集客。そこまでSNSを頑張ってきて、ありがたいことにたくさんの方にフォローしてもらって。「これだけやってきたんやから、お客さまも来てくれるやろ!」と思っていたのに、想像以上に来なくて撃沈。

ようやく忙しくなってきたかと思えば、今度は初めて専属でついてくれたアシスタントの教育で撃沈。当時の私は、自分ができることは、人もできて当然と思っていて…相手を自分の物差しで判断してしまう、浅はかな人間だったんですよね。

 

─以前のインタビューでも、「教育は苦手」とおっしゃっていましたよね。その壁はどう乗り越えましたか?

 

やっぱり、先輩方の存在が大きかったですね。「これだけ伝えて、想って、あとはなにをすればいいのか答えまで教えているのに、できない意味がわかりません」と、教育に対するありのままの気持ちを相談したんですよ(苦笑)。先輩方と話しながら自分の身を振り返ったら「でも、意外と自分もそうやったかも」と気付けたり、「キャパオーバーしてる人間に話しても伝わらないから、話すタイミングも大事だよ」と言っていただいたり。そういう、私一人では気付けないことを教えてもらったことで、少しずつ改善したのかなと思います。

 

 

…とは言ったものの、次の年に、まっさらな状態の新卒生二人をお預かりすることになって、今度は私がキャパオーバー。無理かもしれない、と思って「もうマンツーに戻してもいいですか」と弱音を吐いてしまった日もあったほどでした。

それは、専属の二人が問題児だったとか、下手くそすぎたわけではなくて、完全に私の問題だったと思います。最初はみんな出来なくて当たり前なのに、出来ないことを許容して、見守ってあげるだけの器がなかったんですよね。自分の未熟さを思い知って、「もっとこうしてあげたらよかったのかな?」と後悔することばかりの日々でした。

 

─代表になった今は、教育とどう向き合っていますか?

 

楽しいか楽しくないかで言えば、やっぱり楽しくはない(笑)。ただ、やりがいは感じています。背中を見せることはもちろん、じっくり話していく中で後輩の目の色が変わった瞬間は「本気で伝えてよかったな」と思いますし、自分の言葉で、後輩たちの視座を少しでも引き上げられたらと思っています。それが、会社にとって自分ができることの一つでもあると思うので。

 

25歳。駆け抜けてきた先に見るものは?

 

 

─トップスピードで駆け抜けてきた室さんですが、現状に満足していますか?

 

全くです。例えば、最近の課題をひとつ挙げるならクリエイティブ。実は私、少し前までクリエイションアンチだったんですよ。でも、後輩でクリエイティブをやりたい子が入ってきてくれて、経験していないことは教えてあげられないなと思ったので、自分も挑戦してみることに。そうしたら「意外とこれはサロンワークに必要なことかも」と気付けたんです。

新しい挑戦なので、まだ自分の作りたいものが作れなかったり、イメージと出来上がるものにギャップがあったりもするのですが、私らしい表現を明確にしていきたいなと思っているところですね。

 

もう一つ、いさなから課題として言われているのが具体的な目標設定です。私は売上やお給料に関してあまり欲がなくて、それこそ、現状に満足できてしまうタイプなんですよ。ただ、私が上を見せた方が後輩たちも頑張れるし、200万しかやったことない人と、300万やったことある人とでは見える景色が違うじゃないですか。これからスタッフが悩むこと、たどる道を私は一度通っておくべきだと言われて、それはその通りだなと。アドバイスするにしても、経験という材料は絶対に必要になると思うので、視野を広げるためにも上を目指していこうと思います。

 

 

─最近では、外部のお仕事も増えていますよね。

 

ありがたいことに、以前と比べて格段に増えました。外部のお仕事をする自分とサロンワークをしている自分は全く違うので、キャパや引き出しが増えていく感覚があって楽しいです。6月には、2週間ほどニューヨークに行かせていただいて、セミナーをやらせてもらいました。もともと海外での仕事に興味があったので、本当に嬉しかったですね。

ただ、実際に向こうで仕事をしたことで明確になったのは「私の拠点は日本だな」ということ(笑)。向こうで得たものを日本のサロンワークで活かしたいという思いが強くなりました。

 

というのも、私は日本でのサロンワークが大好きなんですよ。サロンワーク命と言っても過言ではないくらい。今は、セミナーやヘアショーなどの依頼をたくさんいただいて、外に出ている時間が増えているのですが、サロンワークの日数が減るほどどんどん元気がなくなってきてしまって…。セミナーも増やしたいし、コンテストも頑張りたい。けど、自分の身体は一つだけなので、少しずつ、私らしく働けるバランスを模索していきたいと思います。

 

プロフィール
ADITION Shibuya/スタイリスト
室優菜(むろ ゆうな)

大阪府出身。関西美容専門学校卒業後、大阪での1年半のアシスタント期間を経て上京。ADITIONに入社し、2024年5月にはスタイリストデビュー。その後、トップスタイリスト、ディレクターと着実にキャリアを積み、2026年4月には渋谷店の代表に就任。美容学生時代から取り組んでいたTikTokでは18万人、Instagramは14万人以上のフォロワー数を抱え、圧倒的なファン数を誇る。

Instagram:@jilly_61__

 

(文/岩木日向子 撮影/菊池麻美)

 

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