ニート更生企画「ガチンコ美容師クラブ」が起こす奇跡
各サロンの秘伝の技をタダで学ぶ
4月からは東京に引っ越してきました。高円寺のサロカリの拠点であるUp to Youというサロンで淳さんにメンズカットなどを仕込んでもらっています。そのほか、この企画のきっかけをつくった銀座ROYSの佐伯さんには縮毛矯正の技術を、そのほか三鷹、調布、綱島、表参道、大泉学園のサロカリメンバーのサロンにもお世話になっており、大阪時代と合わせて14店舗以上のサロンでレッスンを受けさせていただきました。
今僕がやっていることって、ラーメン屋さんに秘伝のスープの作り方をタダで教えてもらっているのと一緒だな、と思っています。たとえば、ROYSの佐伯さんは縮毛矯正のセミナーを全国でされているんですが、僕はその技をマンツーマンで学べるわけです。もちろん、みなさんに与えてもらってばかりではいけない。「出世払い」じゃないですが、デビュー後に恩返しをしたいと心底思っているんですよ。
サロンの技術を門外不出にしているところもあると思いますし、同じ美容師なのにサロンの考え方が違うからという理由でバチバチやりあっている方もいると聞きます。一方で、サロカリのみなさんはそれぞれの「違い」を認めて、そこに価値があると考えている。そして、自分たちのことだけじゃなく、業界全体のことを本気で考えて、行動している。そんな素晴らしい方に囲まれながら成長できて、本当にありがたいと思っています。
美容業界にでっかい隕石をぶち込みたい
気づけばデビューまであと2ヶ月半。ただデビューするだけじゃなくて、初月から50万円を売り上げることがミッションなので、プレッシャーは半端なくあります。だけど、やるしかない。サロカリのみなさんの期待にもしっかりと応えたい。そして、目標を達成したら、日本一周の旅をしながらサロカリのパートナーサロンを訪問する「恩返しの旅」をしたいと思っています。
僕らの世代は、「ゆとり世代」とか「さとり世代」とかよく言われます。不本意だけど、なぜそう言われているのかもわかります。あまりガツガツしていないし、冷めている同年代も多いと思う。でも、その分、僕みたいに若いヤツが自分から動けば目立つし、かわいがってもらえる。サロカリに入って強く感じました。
今回の「ガチンコ美容師クラブ」をはじめとして、今、僕の周りでは奇跡のような出来事が次々と起こっています。それはきっと、ニートなりに一生懸命考えて、行動しているから、素敵な人たちが手を差し伸べてくださっているのかなと思います。
サロンに所属しないニート美容師をゼロから育てることによって「業界に一石を投じるんじゃなくて、隕石をぶちこむ」というのは淳さんの言葉ですが、僕がその隕石の役目をしっかり果たしたいです。美容業界の既成概念を覆すきっかけになりたいって本気で考えています。ニートのくせに生意気言ってすみません！
松下 汰樹（まつした たいじゅ）さん
大阪府堺市出身。高津理容美容専門学校卒業。関西大手サロンで半年間働いたのち、上京するために退職。アルバイトで資金を貯めていたものの、一時的に目標を見失いニート状態に。フリーランス美容師とサロンオーナーをつなぐコミュニティ「サロカリ」に所属していたことが幸いし、現在はさまざまなサロンで技術を学んでいる。2017年7月スタイリストデビュー見込み。
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