7年後は100兆円の市場規模に! シニア専門のヘアメイク赤坂渉さんが見つけた本当の価値

諦めた過去に後悔はない。今の仕事が最高に楽しい!

 

 

シニアを担当することは、今の僕のやりたいことでもあるし、みなさんに求めていただいていること。目の前で喜んでいる姿を見られるこの仕事がとても楽しいです。お客さまは、年齢とともに感じる悩みが多いぶん、それをクリアできたときの喜びも大きいものです。だから、写真ができあがると、一刻も早くご本人に見せたくなります。

 

自分のやりたいことが、求められていることと同じだとは限りません。僕の場合、芸術やバンドは僕のやりたいことではあったけど、求められてはいなかった。求められていないことって、暗闇の中で「誰か見てくれー」って空中に向かって石を投げるようなものだと思うんです。自分の行く末に求められていることがある道筋のほうが、僕は楽しいってわかりました。

 

これからはお客さまの日常を彩るために環境も提案したい

 

 

いま、えがお写真館ではシニアの方に向けた美容室もやっているんですが、定着率もよく事業の広がりを感じています。最近ではアジア圏からの引き合いもきています。

 

そんな中で、僕が今後やりたいのは、お客さまご自身が僕の作ったメイクを再現できるように環境からサポートすること。今も講座を開いてメイクレッスンをしていますが、シニアの方のメイク技術を上達させるのって結構難しいんです。身体的に厳しい方もいて、「視界がぼやけて見えない」ということもあります。

 

また、講座は一方的にお話しするスタイルなので、わからない人がいる中で終わってしまうこともあるんです。そうならないように、「シニアの方がメイクしやすい」という観点で鏡やコスメ道具、椅子などを選び抜いた、シニアがメイクをするための完璧な空間を作り、その中で行う少数制のメイク講座を考えています。

 

これから先、「確実にこの人は私のことをきれいにさせてくれる」って思われる人でありたいし、僕らの事業に共感してくれる人が増えてくれるとうれしい。シニアの方の日常を彩れるようなお手伝いをしていきたいです。

 

プロフィール
赤坂渉(あかさか わたる)

1983年生まれ。雑誌・広告やアーティストなどのヘアメイクとして活動した後、2014年、東京・巣鴨のシニア専門フォトスタジオ「えがお写真館」の立ち上げに携わる。シニア専門のヘアメイクとして活動し、現在は化粧品や美容メーカーの商品監修・企業研修なども行う。著書は『シニア ビューティ メイク(扶桑社)』。

 

(取材・文/QJナビ編集部 撮影/河合信幸)

 

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