イチ美容師として成功することだけがゴールじゃない ーH[eitf] 王子田 隼さん U29次世代美容師 ー

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次世代美容師として注目される「U29美容師」のサクセスストーリーから、成長するためのヒントを「美容師のタマゴ」へお届けする企画「U29次世代美容師」。第九回目は、原宿の人気店H[eitf]の店長として活躍する王子田隼(おうしでんはやと)さんです。スタッフが辞めないサロンをつくるために奮闘している王子田さん。「美容師として売れっ子になるだけが成功ではない」そんなことに気づかせてくれるインタビューです。

 


 

プロ野球選手を目指す、エースで4番の野球少年

 

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子供の頃は野球をしていた記憶しかないですね。小学校1年生から始めて、上級生になるころにはエースで四番。「ウチで野球しないか?」というお誘いもありました。父親は僕をプロ野球選手にするのが夢だったようです。監督やコーチよりも熱心で、練習にも必ず顔を出していました。

 

ところが僕は、高校1年生で野球を辞めたんです。もちろん父親は激怒。しまいには泣き始めてしまって…。相当ショックだったんでしょうね。このとき僕は、ものごと辞めるのは大変なことだし、支えてきてくれた人を傷つけてしまうんだな、と学びました。

 

野球を辞めたあとは、ハンドボール部に入ったんですが、そこはめちゃくちゃ厳しいところだったんです。毎日20km走らされていたし、正月以外は朝から晩まで練習していました。多分、東京では一番練習量が多かったんじゃないでしょうか。

 

一応、勉強もマジメにしていて、早稲田大学に行きたいと考えていました。でも、大学を出て普通に会社にいっても、先が見えていてつまらないと思ったんです。小学生のころから髪型をセットするのが好きだったし、オシャレも好きだったので、「美容師になる」というと、当然、親に反対されました。「ダブルスクールでいいじゃないか」と父が言ってくれたんですが、それも断りました。今思うと、息子想いのやさしい提案だったんですけれどね。

 

筆記試験は最高レベルで技術は最低レベル

 

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親の反対を押し切って入った専門学校なのに、入学したとたん羽根を伸ばしてしまいまして…。筆記試験の点は稼げるけれど、技術は全くダメで、とくにワインディングの成績は下から数えたほうがはやいくらい。それでも練習はあまりしませんでした。高校まで部活しかやっていなかったから、遊びたくて仕方がなかったんです(笑)。

 

でも、唯一、モチベーションがあがったのはヘアショーなどのコンテスト系のイベント。みんなでワイワイやりながら作るのが楽しかったし、カットだけは大好きだったので、テンションがあがりました。

 

学校内のコンテストで1年生の代表の一人として、ステージにあがったことも。僕より上手い子がたくさんいたから、「なんでアイツが選ばれるの?」と裏では言われていたようです。今思うと、先生からの印象がよかったのかなと…(笑)。でも2年生のときは実力で審査員賞を掴みとって自信をつけました。

 

コンテストでは奇抜なスタイルをつくりたがる人が多いと思います。僕はそれよりも、モデルさんがかわいく見えるスタイルをつくりたかった。というのも、当時ヘアカタのモデルをしていたのですが、自分がよく見えないと嫌だった。反対に似合うスタイルにしてもらえるとテンションがアガる。だから、自分もそういうスタイルをつくりたかったんですよ。

 

>いろんな人の支えがあって今がある

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