あの名店のスタイリストデビューの基準を探れ! Vol.9  「売れたければ必要とされる美容師になれ!」OCEAN TOKYO中村トメ吉さんインタビュー

三科さんともるさんのYouTube動画もファン獲得に一役買っている

 

-Twitter以外にも、ブログやYouTubeでの発信も行なっていますよね。

 

はい。単純に世のなかが求めていることに対して、文章と写真だけでは伝えられないものがあり、動画で伝えるという手段も選びました。とくにYouTubeは2年ほど前から注力していて、うちでは三科ともるさん(※)がYouTuberとして活躍しています。スタイリングの解説動画や技術理論・美容知識の動画を中心に配信し、チャンネル登録者数は2人あわせて約72万人。動画を始めたことで、スタッフ個人のキャラクターを見せられ、お店の雰囲気もアピールできるようになりました。そのおかげでいい意味でお店に親近感を抱いてもらえるようにもなりましたね。

 

※もるさん OCEAN TOKYOのアシスタント。人気YouTuberとして知られ、52万人以上の登録数を獲得している

 

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三科公平さん

 

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もるさん

 

-SNS運用を活発化させることで、どんな利点がありましたか?

 

通常は表に出づらいアシスタントにもファンが付いて、お客さまからきちんと名前を覚えてもらえる。悔しいですが、僕を指名してくれたお客さまが実は僕に付いているアシスタント目当てだったなんてことが、たまにあります(笑)。そうなると、スタイリストデビューした時点ですでにファンが付いているので、売上も一気に伸びるんです。デビューから半年足らずで1ヶ月の売上が300万に達することも珍しくありません。

 

店舗全体のメリットでいうと、SNSが自社のメディアとして機能すること。おそらくスタッフ全員のフォロワーを合計すると、100万人ぐらいはいると思います。たとえばスタイルを出すにしろ、多くの人に見ていただける。また採用活動をしたいときは、それぞれのスタッフに「自分がなぜOCEAN TOKYOに入ったか」を綴ってもらい、そこに採用のバナーを貼っておくだけで、その情報が一気に拡散され多くの人に届きます。

 

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OCEAN TOKYOポーズでハイ、パチリ!

 

-SNSを採用でもうまく使っているのは驚きです。では最後に切磋琢磨しているアシスタントさんに、メッセージをお願いいたします。

 

アシスタント期間は自分を知る時期。

 

自分の長所や短所、好き嫌いはもちろん、何に楽しさややりがいを感じるか。自分はどうなりたくて、どこを目指しているのか。ここだけは負けない、誇りを持って自己表現できる、伝えられるものを何か1つでもいいので見つけて欲しいですね。それがスタイリストになった時の武器に必ずなります。

 

辛く苦しい時もあると思いますが、そんなときほど美容師になろうと思った初心の自分を思い出して欲しいですね。いろいろな夢や希望を描いていたはず。必ず想いは現実になります。

 

プロフィール
OCEAN TOKYO
代表取締役/中村 トメ吉(なかむら とめきち)

1984年、栃木県生まれ。都内の美容専門学校を卒業後、25歳で都内有名店の店長に就任。就任後「店舗売上」を2倍に、メンズ雑誌の「行きたいサロンランキング」1位、「スタイルランキング」年間1位と実績を積み、人気サロンへと押し上げた。2013年に高木琢也氏と共同経営でOCEAN TOKYOを立ち上げ、前店の同僚だった三科光平氏を加えた3人で有名店に成長させる。サロンの経営・プロデュース・戦略・マネジメント・人事など「経営部門」を主に担う。

(取材・文/高良 空桜 撮影/QJナビ編集部 写真提供/OCEAN TOKYO)

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