「普通って誰が決めるの?」 クリエイションで唯一無二を貫く、QUQU浦さやか×niko hair氏川りの の頭の中−soucutsの庭Vol.8−

左から:氏川さん・内田さん・浦さん

 

LECO代表・内田聡一郎(うちだそういちろう)さんのPodcast「soucutsの庭」。大御所から同世代、さらには若い世代まで幅広い層の美容師をゲストに迎え、今考えていること、そして普段はなかなか語られることのない“思考の奥”までを、MCである内田さんがじっくりと引き出していきます。リクエストQJでは、そのPodcastの模様を記事としてお届け中!

今回は、初の女性美容師対談! 独自の感性とセンスで存在感を放ち続けるQUQU(クク)代表・浦さやかさん(うらさやか)と、多数のコンテストでグランプリを獲得する、高知県・niko hair(ニコヘアー)所属の氏川りの(うじかわりの)さんが登場。「普通って誰が決めるの?」をテーマに、クリエイションとの向き合い方や、大切にしている価値観、作品づくりの原点について語り合いました。互いをリスペクトし合う二人だからこそ飛び出した、本音あふれるトークをお届けします。

 


 

似てるような、似てないような2人

 

 

内田:今回は初の女性ゲスト回です。ここ最近は男性ゲストが続いていたんですが、リスナーの方から「女性美容師さんのお話も聞きたい」という声をいただいていて。誰にお願いしようか考えた結果、この素敵なお二人に来ていただきました!

 

氏川:高知県のniko hairから来ました、氏川りのです。

 

:東京のQUQUという美容室の浦さやかです。よろしくお願いします!

 

内田:僕の中では、すごい似てるような、でも結構似てないような2人でもあるなと思っていて。これまで一緒に仕事をしたり、ご飯に行ったりしたことって、あまりなかったですよね?

 

:3人(内田さんも含めて)でご飯に行ったよね!代官山で。

 

内田:そうだっけ?

 

氏川:私が内田さんをお誘いしたんです。そしたら浦さんも一緒に来てくださって。そのとき東京に来ていて予定が空いていたので、「断られてもいいから勇気を出して連絡してみよう!」と思って。

 

内田:そっか。それが2年前くらい?

 

氏川:もっと前かもしれないですね。

 

:多分、3〜4年くらい前かも!

 

 

内田:確かに、飯食ったかも(笑)。じゃあ、それ以来ということで。まずは順を追って聞きたいんですけど、お二人が最初に出会ったときのことって覚えていますか?

 

氏川:私はすごく覚えてます!私がクリエイションを始めて、コンテストに出だしたくらいの時です。浦さんがFLOWERSにいた頃ですかね。ご飯会があって、浦さんもいたんですけど。

 

:え、ドキドキしてきた…。

 

氏川:その時、浦さん全然お話しされてなかったので…。

 

:私、本当にね、そういうとこ行かないから…。

 

氏川:なんか、嫌そうでした(笑)

 

:やばい、やばい、やばい(笑)

 

氏川:嫌そうっていうか、人見知りが発動してる感じの(笑)

 

:連れてこられた感じでしょ?

 

氏川:そうです(笑)。それでその後、私、髪を切りに…。

 

:私のとこに!? え!本当?

 

内田:相当前だよね?

 

つけまつ毛を吹っ飛ばした浦さん

 

 

氏川:相当前です。すごくオシャレして、普段は付けないつけまつ毛まで付けて行ったんですよ。それで浦さんにドライヤーをしてもらっていたら、両方のつけまつ毛が飛んでいって(笑)。

 

一同爆笑

 

氏川:それですごい恥ずかしかったんですけど、浦さんは「あー!取れたねー!」って(笑)

 

内田:浦さんらしいリアクションで(笑)。まつ毛飛ばしてといて覚えてないの?

 

:いや、あのね…。え、雰囲気変わった?(笑)

 

氏川:でもその頃の私は、コンテストでもまだ何のタイトルも取っていなくて、本当に何者でもなかったので。10年以上前の話ですかね。

 

:FLOWERSだから15年くらい前じゃない? え、垢抜けたよね? 今、すごくかわいいじゃん!

 

内田:(笑)その時は、どんな髪型にしたんですか?

 

氏川:その時は、アシンメトリーでツーブロックみたいな髪型です。

 

内田:時代を感じますね(笑)。そのときのことって覚えていますか? どんな話をしたとか。

 

氏川:すごく緊張していたので、あまり覚えていないんです。でも、ひとつだけすごく覚えていることがあって。切ってもらったあと、髪が伸びてもずっと可愛かったんですよ。「浦さんってすごいな」って思いながら過ごしていました。

 

内田:当時はあれですもんね。浦さやかの第一形態の頃っていうか。

 

:そうそう、第一形態。フレンチガーリーとか、森ガールとか、ふわふわ系。

 

内田:今、第三形態くらいなんだけど、浦さんって。第一形態は、多分うちのスタッフも知らない。ヨーロッパ風味のフレンチボブの頃ですよね。

 

:ベレー帽とかかぶって、サスペンダーしてね(笑)

 

内田:その頃、浦さやかがバーって売れ出した時で。

 

:そうそう、一番苦しかった時。知名度だけ上がって、超下手くそだった時。

 

内田:一般誌も業界誌も、本当にものすごい数の撮影をやっていた時代だよね。氏川さんは、その頃に浦さんを知ったんですか?

 

氏川:niko hairに入社して、スタイリストになるために基本のカットをひと通り教えてもらったあと、「好きなスタイルを毎日切ろう」と決めたんです。それでヘアカタログをたくさん見て、気になるスタイルを毎日ウィッグで切っていました。そうしているうちに、「あ、また浦さやかさんや」「またや」って。好きなスタイルが、毎回浦さんの作品だったんです。「浦さやかさんって、どんな人なんだろう」と気になり始めて。よく見たら雑誌にもめちゃくちゃ出ていて。

 

内田:まだSNSがそんなになかった時代だよね。

 

氏川:そうです、雑誌の時代。それで、見た目も大好きでどんどん惹かれていきました。なんか、告白みたい(笑)。

 

内田:それで四国からはるばる切りに来たわけだ。当時、どんなことを言われたとか覚えてます?

 

氏川:えー、どんなこと言われたかな…。

 

内田:新規がめちゃくちゃ来てた時代でしょ? ふわふわ森ガールを量産してた時期だもんね。

 

 

:ぶっちゃけ、あの頃のサロンワークを思い出すと、「うわー!」ってなっちゃう。まだ反省だらけの時期だね。まだ力がない時、美容師として。

 

内田:サロンワークでいっぱいいっぱいで、気が気じゃない頃だ。

 

:でも新規は確かに、美容師さんが多かったな。

 

内田:だって当時ですよ。浦さやか、前髪カットが3,000円だったんですよ。

 

氏川:そうなんですか!?

 

:高くしたかったわけじゃなくて、前髪カットだけで来る人がすごく多かったから。

 

内田:ショートバングの女王みたいな感じだったから。前髪カットだけで新規が来てたんだよね。

 

:それで困って。前髪カットの料金を上げたら、「それなら全体を切ろうかな」ってなるかなと思って。そんな流れで。

 

氏川:当時は、もう浦さんのキャラクターが確立されていて。毎日のようにお客さまから「一緒に写真を撮ってください!」って言われていたんだと思うんです。私もお会計でレジに行ったら、「はいはいはい、撮りまーす!」みたいな(笑)。

 

内田:こなしてたんだ(笑)。え、撮影は自分から頼んだんですか?

 

氏川:むしろ、その流れが定番だったんですよ。レジの方が気を利かせてくれて、「お願いしまーす!」って(笑)。「みんな撮るんだなあ」って思いました。

 

内田:東京の人気美容師だなって感じだったんだね(笑)

 

:もう本当にひどい…。恥ずかしい…。

 

内田:その当時、一番調子に乗ってた時期じゃないですか?

 

:いやいや。私は本当に調子に乗ったことがなくて。周りから見えている評価と、自分の実力が一番離れてた時期。だからお客さんに入る時、いつもドキドキしてた。年上の男性美容師さんが指名して切りに来てくださることも多かったんですけど、「どんなもんだよ」って思われているんじゃないかって勝手に不安になって。「もう男性のお客さまはお断りにしようかな」って思っていたくらい。

 

>いつも選ぶのは氏川さんの作品だった

 

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