二十歳の頃、どう過ごしてた? K-two 谷口翠彩さんの二十歳の頃。
─当時、特に力を入れていたこと、楽しいと思っていたことは?
とにかく、たくさんの人に会うこと。そして、人脈作りですね。
自分の二十代を振り返ると、本当に遊んでばっかりだったんですよ。毎週クラブに通ったり、渋谷のTSUTAYA前でモデハン中の美容師さんと喋りに行って、一緒にモデハンしたりして。
もちろん、それが楽しくてやっていた側面もありますが、自分の世界を広げたいという気持ちも大きかったんですよね。だから、会った人とは絶対に連絡先やfacebookを交換する癖をつけていました。ただ、「ここで出会った人たちから絶対に仕事をもらうぞ!」と意気込んでいたわけではなくて。むしろ、その人たちとの出会いが将来なにに繋がるのかは、二十歳前後の自分には予想もつかなかったです。
その地道な種まきが実を結んだのは、自分も周りも年齢が上がっていった頃。ヘアメイクの仕事や、サロンワークの様子をSNSにアップするようになってから、「今、ヘアメイクやってるんだね。じゃあこういう仕事できる?」など、声をかけてもらえるようになりました。クラブに来る人は色々な業界のクリエイターが多かったので、今でも、当時のつながりから仕事をいただくことは多いですね。

─今振り返って、こうしておけば良かったと思うことはありますか?
そうですね…。行動を起こす勇気が出ずに足踏みしてしまったことがあったので、もう少し、自分を信じてチャレンジしてみても良かったかもしれないですね。
そのうちのひとつが、海外での挑戦。私はずっと、ハイファッション誌のヘアメイクに憧れがあったんです。でもあの世界は、一度海外に行って師匠について、それから日本に戻ってくる、っていうのを経験しないとなかなか辿り着けない場所で、諦めてしまいました。
やりたいことを漠然と想像するだけじゃなくて、それを叶えるために必要なプロセスを考え、逆算して若いうちから動けていたら、今とはまた違う世界が見えたかもしれないですよね。
ただ、今の自分が嫌なわけではないですし、むしろ今は今ですごく好き。これは「そんな道もあったのかも?」っていう、パラレルワールドの話です(笑)。
二十歳のみんなへ

美容師というのは、相手がいてこそ生かされる仕事であり、一番大切なのは人との繋がりだと思っています。だから、画面に夢中になるのもいいけれど、外に足を運んで、人と話して、触れ合ってほしいなと感じますね。
30代になってくると、ある程度自分の考えが確立してくるので、なかなか人の意見が素直に聞けなくなってきたりもする。だから、頭が柔軟な若いうちにいろいろな人の話を聞いて、自分とは違う価値観を知っていくことで、自分自身の中身が磨かれていくはずです。
それから、今の時代はSNSが普及していて、成功までのスピードがグッと速くなりましたよね。バズったら成功、みたいな感じがあるというか。私はそれに対しては少し懐疑的なところがあって、あまり結果をすぐに求めすぎず、地道にやって行った方が地に足がついていいんじゃないかな?と思っています。

やっぱり、重ねた時間は自分の中で自信につながりますし、頑張ってきたという土台になってくれる。そこをスキップせずに積み重ねた人の方が、結果として長く続けられるような気がします。
どんなに便利な時代になったとしても、美容師は結局、技術職。結果を急ぎすぎず、今目の前にあることをコツコツやっていけば、いつか必ず報われる日が来ると思います。1年や2年で判断して、諦めてしまうのはすごくもったいないですよ。
★Extra Contents
アシスタント時代、よく食べていたものは?

(文/岩木日向子 撮影/菊池麻美)