追いつけないほど遠い背中を見せてもらって、覚悟が決まった。Of HAIR 樋口夏希さん─天職WOMAN─

 

1987年から現在まで、多くのお客さまから愛され、その技術とヘアデザインで美容業界を牽引し続けているOf HAIR(オブヘア)。今回は、そんなOf HAIR表参道店で活躍する樋口夏希(ひぐちなつき)さんが登場です。

新卒でOf HAIRに入社した樋口さんは、今年で10年目。アシスタント時代から続けていたというSNSでのアレンジスタイルの発信をきっかけに顧客からの支持を集め、着実にキャリアを積んできました。

樋口さん自身が「ターニングポイントだった」と語る、オーナー・古里オサムさんについていた修行期間。そして、ヘアアレンジでの集客をカット・カラーでの再来に繋げようと模索した日々のこと。今年30歳を迎える樋口さんのこれまでを聞きました。

 


 

シャンプーに感動して入社を決意

 

 

私はもともと、地元の福岡で就職しようと思っていました。でも、本格的に就活を始めたタイミングで、仲の良い友人たちが東京に出るという話を聞いて。自分もいつかは東京で働いてみたいと思っていたので、それならこのタイミングで動いた方がいいかなと上京を決めました。

 

東京行きを決意するにはだいぶ遅い時期だったので、そのときにはすでに募集が終わっているサロンも多かったのですが、いくつかサロンを見に行きました。Of HAIRもそのうちの一つ。ここを受けようと思ったのは、初めてお店に行ったときに受けたシャンプーがきっかけです。就職先を探す中で色々なサロンで施術を受けましたが、Of HAIRのシャンプーは、本当に感動するくらい上手だったんですよ。

美容師の仕事は、まずシャンプーを教わるところから始まりますよね。そのシャンプーが上手いなら、きっと他の技術もすごいんだろうなと、Of HAIRを受けることに決めました。

 

 

動き出しが遅かったので三次募集での応募だったのですが、無事に合格をいただいて。最初、私は宮崎台の店舗に配属されました。

正直、東京で働きたいと思って地元を離れたのに、神奈川の店舗なんだ…とがっかりする気持ちがなかったとは言えません。でも、そんなことを言っていても仕方ないし、デビューのタイミングで都内に配属してもらえるように頑張ろうと切り替え、レッスンに励みました。

アシスタント時代の目標は同期の中で1番にデビューすること。負けず嫌いなタイプなので、競争ごとには絶対に勝ちたいという思いがあり、練習時間、モデルさんの数、チェックに受かるスピードなど、数字が見える部分は常に1位を狙っていました。

 

 

大変なことももちろんありましたが、それで悩むよりも、歩みを止めたくないという気持ちの方が大きかったですね。

これは後になって聞いたことなのですが、私は先輩方から「樋口は二日で辞める」と思われていたそうなんです(苦笑)。そんな風に見えてたんだ、とショックだったのですが、外見よりはタフだと思いますし、意外と男っぽいタイプだと思います。

 

デビューは5年目。アシスタント時代に蒔いた種が実を結んだ

 

 

スタイリストデビューは、5年目の頃です。アシスタントの頃から作品撮りやSNS投稿に力を入れている姿を見てくれていたのか、デビューのタイミングで念願の表参道店に配属になりました。

スタイリストになってからの課題といえば、やっぱり集客ですよね。私は地元から離れた場所で働いていたので人脈もなかったですし、スタイリストになってエリアが変わったこともあり、最初の頃は常に予約がパンパン、という状態ではありませんでした。

なので、通っていただいていたモデルさんにメッセージを送って来てもらったり、道で声かけをしたりしていましたね。

私が通っていた専門学校は授業でモデルさんを呼ぶ必要があって、学生時代からモデハンの経験があったのであまり抵抗がなかったんです。当時の先生から教わった「時間を決めてやる。1時間と決めたらきっかりそれで終わり」というモデハンの極意を胸に(笑)、途中で心が折れないように上手く切り替えてやっていました。

 

 

表参道は結婚式も多いですし、交通の便も良く人が集まる駅です。エリアの特性を活かそうと思って、ヘアアレンジを大きく打ち出すようになったのもその頃でした。需要に合わせたブランディングができたこともあってか、少しずつ売上は上向いていきました。

 

デビューしてしばらくはヘアアレンジのお客さまが多かったのですが、少しずつ比率を調整して、今は他のメニューで来てくださる方のほうが多くなっています。というのも、一時期、ありがたいことにアレンジのお客さまがすごく増えた時があって。アレンジは好きですし嬉しい気持ちもある反面、みんながみんな次にカットやカラーで来てくださるわけではなく、その1回限りで終わってしまう方もやっぱり多かったんですよね。もっと深くお客さまと関わっていくには、他のメニューにも力を入れた方がいいなと思い、発信の内容を少しずつ変えていきました。

 

 

私自身、アレンジだけでなく、全てのメニューで高いクオリティの技術を提供できる美容師になりたいという思いが強くありました。目先の売上だけを追うことが正解ではないと思いましたし、幅広い層のお客さまを集めることはいつか自分のためになるはずなので、必要な時間なのかなと。

結果的に、今はアレンジのお客さまはもちろん、カットやカラー、パーマなど様々なメニューのお客さまが来てくださっているので、あのときの方向転換は間違っていなかったと思っています。

 

>オーナーとの差に愕然。改めて仕事と向き合った半年間

 

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