行き詰まったときには、新しい視点を!〜Cocoonキッカワミワさんの困難の乗り越え方

 

一人ひとりの髪のよさを引き出す“ノンブローカット”で知られる美容室Cocoon(コクーン)表参道店のスタイリスト、キッカワミワさんは、サロンワークやプロダクト開発など幅広く活躍しています。2022年春にはマネージャーとなり、後輩への技術指導や外部セミナー講師の仕事にも力を入れています。一見、ここまで順調に進んできたような安定感を見せるキッカワさんですが、実はさまざまな困難があり、自分の殻を破りながら成長してきたといいます。元頑固女子だったというキッカワさんがどのように壁を乗り越えて今の活躍に至ったのかを伺いました。

 


 

もっと学びたい!新しいものを一から創りたい!

 

 

仙台(宮城県)にある専門学校卒業後には横須賀(神奈川県)の地元密着型のサロンに就職して3年間勤務し、その後、Cocoon(コクーン)にオープニングメンバーとして参加しました。

 

新卒で入社したサロンは、トータルビューティー・サロンでした。エステやネイルに関わることも多かったため、美容師の仕事を中心にやりたいと思うようになり、さらに東京の中心地で活動したいという思いも芽生えて、転職を考えるようになったんです。

 

Cocoonとの出会いのきっかけは、たまたま見つけたブログです。オープニングからサロンをつくっていく様子が掲載されていて、みんなでお店を作る姿が印象的でした。前職のサロンでは寮で先輩後輩と一緒に生活していたんです。今の時代に珍しいですよね。先輩後輩との生活はとても楽しくいろいろなことがありました。当時アシスタントだった私は美容師というより、エステやまつ毛パーマを施術させていただくことが多くて、私はこれをしたかったのかなという気持ちが実はあったんです。そんな時にブログを見て、ここだったら自分のやりたいことができるんじゃないかと勝手に運命を感じっちゃったんですよね(笑)。

 

元頑固女子が自分と違う意見受け入れることで世界を広げる

 

 

Cocoonに入った当初は、内面的にも外面的にもとにかく自信がありませんでした。そんな私を見てSAKURAが日々お客さまに私のことを紹介してくれたんです。技術はまだまだだし、いろいろなことに自信はなかったけれどトークは得意だった私は、ここが出番だ! とばかりにお客さまとたくさんお話をして覚えていただけるようになりました。そうやってお客さまに認識してもらい、可愛がっていただくことで少しつづ自信をつけられるようになったんです。

私の場合はコミュニケーション力でしたけれど、なんでも一つ自分の武器と思えることを突破口にして自信をつけていければいいのかなと思います。

 

そのころは正直、大変なことしかないくらい大変でしたがそれを克服させてくれる人と環境のおかげて今も美容師をやっていられるのだと思っています。一番乗り越えるのに苦労したことは、自分にない考えや発想を素直に受け入れることでした。

 

たとえばCocoonの面接のとき、VANから「なんで髪、そんなに長いの? ショートにできる?」と言われたことがありました。当時ロングにしていたのは、ロングの方がモテるかなと思い込んでいただけなんですけど(笑)。「大丈夫です!」と答えましたが…。今思えばVANは私の受け答えの声や表情で否定的な感情を察知したていたんだと思います。それで、ショートにすることで、「自分の価値観の外に一歩出てみない?」と提案してくれたのだと。ちなみにその後、VANを信じてショートにしてみたら「これまでなんだったの?」というくらい周りから似合うと褒められたんです。

 

 

みんなそうだとは思うのですが、自分の価値観以外の提案をされたとき、受け入れるのに時間がかかることがありませんか? 自分の価値観や意見を大切にすることはいい面もありますが、それだけでは今以上の自分にはなれない。それがスタイリストになってからもとても大切なことなのだと気付かされました。

 

とは言え、自分の提案に対して、お客さまや先輩から「何か違う」と言われたときに、心の中に「でも」という言葉が出てしまうことは今でもあります。それも自分の受け取りかたで、いいようにも悪いようにも捉えられてしまうだけなんですけどね。わかっていてもコンディションが悪いとアドバイスなのに否定に捉えてしまったり。でも自分の価値観だけではその先に行けないと思い直して、すぐ切り替えるように今でも意識してます。

 

うまくいかないときには何か別のことをやってみる

 

 

スタイリストになってからも、なかなかお客さまがリピートしてくれない時期があり、自分に何が足りないんだろうと毎日悩むこともありました。

 

そんな私を見かねたVANは、「肩が痛いときには、直接肩をもんでもダメだから」と言ってくれました。その意味はすぐにはわからなかったのですが、自分の悩みについてだけ考えるのをやめ、コンテストに挑戦してみたり、他のスタイリストの仕事を見て自分と比較して過ごしてみました。すると、自分の苦手と思っているスタイルと向き合えたり、足りない部分を見つけられたり、自分のことを客観視できるようになったんです。

 

VANのこの言葉は壁にぶち当たった時、悩んだ時に、今でも浮かびます。上手くいかない時は視点をずらしてみたり周りを見てみる。すると何か発見があります。それは今でもずっと実行していることです。

 

 

>コンテスト前夜のどんでん返し!? 諦めない心はサロンワークにつながる


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