「若いうちから、どんどん挑戦してほしい」。TRUTH・内藤由哉が若手にチャンスを与え続ける理由

若手の可能性を信じてチャンスを与える。一緒に過ごす時間こそが人材育成

 

 

―FCオーナーになってから若手の育成にますます力をいれていらっしゃいますね?

 

大きなきっかけとなったのが、2店舗目のオープン時に直面した大ピンチです。出店のタイミングでスタッフが減ってしまい、自分以外のスタイリストが退職。結果的に僕とアシスタント3名の計4名だけで2店舗を回さなければならない状況になってしまったんです。あのときは本当に大変でしたが、若手の早期デビューにもっと本気で取り組まなければいけないと考えるきっかけにもなりました。一方で、当時のアシスタントが必死にレッスンを重ねて、10カ月でデビューを果たして戦力になってくれたんですよ。大変な時期を乗り越えた甲斐がありましたし、何よりその成長がとてもうれしかったです。

 

―早い段階で店長・副店長などキャリアアップをするスタッフさんがその理由は?

 

TRUTHには、早期にスタイリストデビューを果たすスタッフがたくさんいます。デビューしたあとも、「もっと成長したい」「店長をやってみたい」という若手がいる。そういうスタッフには、年齢や経験だけで判断せず、意欲があるなら、どんどん挑戦できる環境を作ってあげたいんです。

 

 

―若手を抜擢した後、どのように成長を支えているのでしょうか?

 

もちろん、若いスタッフに大きな仕事を任せて、最初からうまくいくわけではありません。なので、抜擢したからといって任せっぱなしにはしないようにしていますね。悩んでいるときには話を聞くし、必要なときにはアドバイスもします。

そのために、僕が何より大切にしているのが、一緒に過ごす時間です。普段はスタッフと同じように朝から出勤して、サロンワークもしますし、自分の仕事が終わってから他の店舗にも必ず顔を出すことにしています。そのときは、ただ様子を見に行くだけではなく、掃除を手伝ったり、一緒に仕事をするようにしています。

やっぱり、「これをやっておいて」と言うだけではなく、「じゃあ、一緒にやろうか」「僕も見るよ」と声をかけるほうが信頼してもらえますし、こちらもすぐ近くで見守ることができますから。

 

 

これは僕の持論なのですが、人材育成においては、コミュニケーションの回数や、一緒に過ごす時間がすごく大切だと思っています。長い時間を共有することで、お互いの考え方がわかるようになるし、信頼関係も深まっていく。その積み重ねが、人の成長につながるんじゃないでしょうか。

 

僕が普段やっていることやスタッフに伝えていることは、もとをたどれば天野から教わったことがほとんど。天野から僕へ、そして僕から若手へ。自分が受け取ったものを次の世代につないでいけるのは、うれしいことですね。

 

 

出店は若手の活躍の場を作るため。「一緒に勝ちたい」仲間と明るい未来へ

 

 

―スタッフが活躍できる場所をつくるうえで、大切にしていることは何ですか?

 

FCオーナーになってから約3年。現在は3店舗を経営し、10月には船橋に4店舗目をオープンします。

よく「スピード感のある出店ですね」と言われるんですが、自分ではあまりそういう感覚はないんです。もちろん事業を大きくしていきたいという思いはありますが、店舗数を増やすこと自体が目的ではありません。

店舗展開の一番の理由は、人が育ってきていることです。せっかくスタイリストとしてデビューして、技術を身につけて、もっと上を目指したいと思っているのに、活躍する場所がなかったらもったいないですよね。TRUTHは、「店長をやりたい」というスタッフも多いんですよ。今、一般的には役職に就きたくないという若手が多い中では珍しいですよね。そういったモチベーションの高いスタッフには店長のポジションを、もっと挑戦したいスタッフにはそのための場所を作ってあげたい。そう考えた結果が、今の店舗展開につながっています。

 

 

人が育たなければ、店舗を増やすこともできない。逆に、人が育てば、新しい店を任せることもできるし、さらに多くの若手にチャンスを与えられる。僕にとって、人材育成と店舗展開は切り離せないものなんです。

 

―店舗展開を通して、どのような組織をつくっていきたいと考えていますか?

いろいろとお話ししましたが、僕が叶えたいのは結局、「仲間と一緒に笑いながら美容師ができる場所を作る」ことなんだと思います。

僕はよく「熱狂している集団を作りたい」と言っています。サロン見学に来た人が、美容に熱狂しながら働くスタッフの姿を見て「この人たちと一緒に働きたい」と思ってくれる。仕事には本気で取り組むけれど、みんなで休日を楽しんだり、笑い合ったりする時間もある。そんな仲間の集まりにしていきたいんです。

 

一方で、僕がFCオーナーになった一番の理由は、やっぱりこの美容業界で天野と一緒に戦いたかったからです。この気持ちは、今も変わっていません。

天野からよく言われるのが「自分がやってもらってうれしかったことを、次世代にもやってあげなさい」という言葉です。僕は、店長やオープニングの店舗を任せてもらえたことがうれしかった。天野からもらったチャンスを、今度は自分が若手たちに与えていく。そして、みんなで成長しながらTRUTHをもっと盛り上げていきたい。

一人で成功するよりも、仲間と一緒に勝つほうが絶対に楽しい。僕はそう思っています。

 

プロフィール

TRUTH 統括マネージャー/FCオーナー

内藤 由哉(ないとう ゆうや)

秋田県出身。国際文化理容美容専門学校 渋谷校卒業。都内で美容師経験を経たあとに北国分店のオープニングメンバーとしてTRUTHに入社。半年後に同社の店長となったあと頭角を現し、統括マネージャーを務める。2023年に自身がオーナーとなるFCオーナー店舗をオープン。2026年10月現在、4店舗のオーナーを務める。

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