いつもポジティブな心で、悔いのない選択肢を選び続ける -stair:case 時枝 弘明さんの習慣 前編-

辛いときは「今は登り坂を歩いているんだ」と考える

 

 

HAIR DIMENSIONは、それまで中途採用をあまりしていないサロンでしたから、運がよかったというか、これはもうご縁ですよね。こうして、東京のキャリアはディメンションでスタートしました。そこには、代表の飯塚保佑さんをはじめ、現AFLOATの宮村浩気さんなど、のちに何人ものカリスマ美容師を生み出した伝説のサロン。東京で美容師としての高みを目指したいと考えていた自分にとって最高の場所でした。これもきっと、ネガティブに「どうせだめだろう」と決めつけて行動しなかったら、運命が変わることはなかったと思います。

 

最終的には店長を任されるまでになりましたが、僕の美容師生活がずっと順調だったわけではありません。しんどいこともありましたが、そんなときは「今は登り坂を歩いているんだ」と考えるんです。大きな山を登ろうと思うのなら、長い坂道を歩き続けなくてはならない。つまり、辛いときは成長しているってこと。頑張りどころなんです。こんなふうに僕は、目の前の出来事をポジティブに捉えて、とにかく行動し続けてきました。これが僕の習慣なんです。最悪なのは、失敗を人のせいにすること。サロンがどうだから、時代がこうだからと、言い訳したところで何も解決しません。

 

凡打しても切り替えて、次の打席でヒットを打てばいい

 

 

ちなみに、登り坂の反対で、楽なときや順調なときは危険です。登山にたとえれば、下り坂を歩いて、山を下っているわけですから、成長というよりは衰退しているのかもしれないと危機感を持つようにしています。

 

失敗して辛いときも、「明日があるさ」と切り替えるようにしています。次に同じチャンスがきたときに、それをつかむ状態に自分を整えておくことが大事。プロ野球選手は、一打席凡打したからっていちいちへこんでいられないじゃないですか。みんな次の打席でヒットを打つにはどうしたらいいのか、気持ちを切り替えているはずです。

 

つまり、今日が悲惨であっても、「明日」をどのような心で迎えるかによって、人生が変わるのだと思います。一喜一憂している場合じゃありません。昨日今日のことはもう変えることができない過去の話。それよりも、今から毎日、日々の積み重ねのなかで自分に何ができるのか考えたほうがいいと思うのです。

 

夢や希望は、自分の意志で切り開いていくもの。人生は選択の連続です。ポジティブな選択をするのか、ネガティブな選択をするのか、それは自分次第。とにかく悔いの残らない選択をしていきたいですよね。

 

プロフィール
stair:case
アートディレクター/スタイリスト
時枝 弘明(ときえだひろあき)さん

神戸のサロン1店舗を経て、阪神淡路大震災を経験した後に上京。カリスマ美容師を多数輩出した伝説のサロン「HAIR DIMENSION」で店長を務めた後に独立し、表参道に「hair salon asia」をオープン。その後トータルビューティサロン「uka」のクリエイティブディレクターに就任し、5年間の活動を経て契約満了をもって退任。2018年2月、カラーリストの中村太輔氏とともに立ち上げた新サロン「stair:case」をグランドオープンさせた。

 

(文/外山武史・撮影/菊池麻美)

 

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