「記録」の習慣が、何気ない日常を、ときめく毎日に変える -VeLO/vetica赤松美和さんの習慣 前編-

 

原宿の人気サロンVeLO/veticaのディレクターであり、女性美容師の幸せな働き方を考えるセミナーの講師を務めるなど、美容師という仕事を最も楽しんでいる女性の代表格、赤松美和(あかまつみわ)さん。ヘアショー、雑誌撮影などを通じて、そのクリエイティブセンスは広く知られていますが、最近はとくに「リアリティ」をテーマにしているのだとか。

 

今回は、毎日ときめきながらセンスを磨きたい美容師さんに勧めたい習慣を紹介します。インタビューは前編・後編の2回、まずは前編からどうぞ!

 


 

食事もファッションも記録するといろんなことが見えてくる

 

 

「日常の中にクリエイティブを見つける」というのが私のテーマです。お客さまの髪をカットするときはもちろん、たとえば食事を作る、服を着る、といったともすれば作業になりがちな当たり前の日常の中にもおもしろみを見つけて楽しむ感覚。

 

食事をただ作って食べるのではなくて、毎日写真を撮って記録してみる。写真を撮ると色が気になるから、彩を豊かにしたくなる。そうすると栄養のバランスも整ってくる。どんどん品数が増えてくる。多分、毎日記録する習慣がなかったら、こうはならなかったと思うんですよ。というのも、昔の私は食事に無頓着でしたし、ほぼ毎晩外食でした。今の家に引っ越してから、まわりのお店が早い時間に閉まるので、しかたなく自炊に切り替えたんです。休日にスーパーで食材をたくさん買い込んで1週間の食事をつくっています。

 

料理に不慣れだったころは、ニンジン1本買ったらそれを使い切るような料理しかしていませんでしたが、今日は半分をきんぴら、明日は残りを肉ジャガみたいに、どう使うのか考えるのが楽しくなってきました。1週間まとめ買いした食材を過不足なく使いきって冷蔵庫が空っぽになると超気持ちいいですね(笑)。

 

映画の批評が記録する習慣のきっかけだった

 

 

記録する習慣を始めたのは学生のころ。当時、レンタルビデオ屋さんでバイトをしていたので、たくさん映画を観ることができたんです。それで観た映画の詳細をノートに記録していたんですよ。映画のタイトル、監督、制作スタッフ、出演者、感想と星評価…そのノートは今読み返してもおもしろいです。記録が増えてくると、自分の好きな映画の共通点として、撮影監督が同じだったりして「私はこの人のカメラワークが好きなんだなぁ」と自分を知るきっかけにもなる。映画が好きな美容師さんがいたらぜひ勧めたいですね。自分は何が好きなのか、どういうときに心が動くのか、そういうことが見えてくると思います。

 

自分のファッションの記録をつける習慣もあります。自分で何かしらの「縛り」をつくるとよりおもしろくなる。私は、同じアイテムは何度も使うけど、365日同じコーディネートはしないと決めたんです。そうすると、最初のころは、着こなしが苦しくなることもあるんですよ。どうやって着ようかすごく考えるんだけれど、続けていくうちにだんだんとアイディアがわいてくるようになる。ベルトやソックスをうまく使ったりとか、引き出しが増える。そうすると毎日の着こなしがワクワクしてくるんですよね。

 

美容師も縛りがある不自由な仕事なんです。お客さまの顔と髪質は決まっているから、それに対してどうするか考えますよね。だから、美容師はファッションで言えばゼロからカタチを生み出すデザイナーというよりは、そこにある洋服を組み合わせてスタイリングしていくファッションスタイリストに感覚が近いと思っています。お客さまの素材を組み合わせてより素敵にしていく感覚ですね。

 

>新しい習慣は、お客さまのハッピーな表情を記録すること

 

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