【後編】『英語でしゃべらナイト』で活躍! 元NHKアナウンサーが教える外国人とのコミュニケーション術

英会話は“5W1H”を駆使しよう! 別れ際にはThank you+アルファで送りだそう

 

 

中学校で習った“5W1H”は、「What=何?」「Why=なぜ?」「Who=誰?」「Where=どこ?」「When=いつ?」「How=どうやって?」かなり使える英文法です。松本さんも、“5W1H”が重宝するとイチオシします。

 

「外国人のお客さまであれば、まずどこからきたのか気になりますよね。とても自然な質問なので、『Where are you from?(どこから来たの?)』から会話をスタートしてみましょう。もし『Germany(ドイツ)』と答えたら、『Beer!Sausage!Soccer!(ビール!ソーセージ!サッカー!)』など、何でもいいので単語を発してみます。そこから話が盛り上がらなければ、さらに別の“5W1H”を繰り出してみてください」

 

シンプルな質問でいいので、相手の反応を見ながら繰り返すことで、自然と相手も心を開いてくれると言います。

 

「これは世界共通ですが、『教えてください』って言われるのが一番うれしいんです。なので、外国人と何を話していいか分からないときは、ぜひ質問を続けてみてください。もちろんアレコレ聞かれるのが好きじゃない人もいるかもしれません。それは、相手の表情をしっかり読み取ろうとすれば分かることです」

 

また、松本さんによると、最後の別れ際には「Thank you(ありがとう)」だけではなく、何対してありがとうなのかをきちんと伝えることがポイントとのこと。

 

「外国人は最後にお別れするシーンで、どれだけ感謝を伝えるかをとても大事にします。そのため『Thank you』だけではダメ。『Thank you for~(~についてありがとう)』と言えるかどうかが大切なんです。たとえば、『Thank you for coming(来てくれてありがとう)』『Thank you for choosing here(ここを選んでくれてありがとう)』など、+アルファの言葉を添えてみてください」

 

このワンフレーズによって、相手との距離はぐっと縮まるそう。

 

「ちなみに、私も以前は『Thank you』だけでしたが、あるとき『Thank you、for what?(ありがとうって何にだい?)』と笑いながら返されてしまったことがあります。そのときは、『Thank you for everything(すべてにおいて感謝します)』と伝えました(笑)。何でもかんでも『Thank you』って言っておけばいいというものではないと気づかされた瞬間でしたね。いきなりだと思い浮かばないかもしれないので、自分なりの感謝を込めて送り出すために、『for~』の定型フレーズは持っておいた方が良いかもしれません」

 

英語がしゃべれないからといって、ひるんでいては相手も心を開いてくれないもの。松本さんのアドバイスをもとに、ひるまずに、誠実に外国人のお客様とのコミュニケーションにトライしてみてくださいね。

 

(取材・文・写真=末吉陽子)

 

プロフィール
松本 和也(まつもと かずや)
音声表現コンサルタント・ナレーター。1967年兵庫県神戸市生まれ。私立灘高校、京都大学経済学部を卒業後、1991年NHKにアナウンサーとして入局。奈良・福井の各放送局を経て、1999年から2012年まで東京アナウンス室勤務。2016年6月退職。7月から「株式会社マツモトメソッド」代表取締役。アナウンサー時代の主な担当番組は、「英語でしゃべらナイト」司会(2001~2007)、「NHK紅白歌合戦」総合司会(2007、2008)、「NHKのど自慢」司会(2010~2011)、「ダーウィンが来た!生きもの新伝説」「NHKスペシャル(多数)」「大河ドラマ『北条時宗』・木曜時代劇『陽炎の辻1/2/3』」等のナレーター、「シドニーパラリンピック開閉会式」実況に加え、報道番組のキャスターなどアナウンサーとしてあらゆるジャンルの仕事を経験

https://www.diamond.co.jp/book/9784478069639.html
http://matsumotomethod.com/

 

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