『撮影 = モデルさんと私の“新しい可能性”にチャレンジすること』 GARDEN creative director津田恵がメディア関係者に好かれる理由

コンプレックスをチャームポイントに変えて、これまで以上に輝かせる

 

 

―作品づくりの軸になっている考え方を教えてください。

 

ヘアカタやファッション誌のヘアページなどの場合、撮影前にテーマが決まっているのが一般的です。なのでそのメディアから求められているものにしっかり応えていくことが大前提。でも、言われたままではなくて、どこかに「自分らしさ」をミックスするか考えています。「自分らしさ」って表現するのが難しいし、その時々によって変わりますが、作品を見た人から「津田さんらしいね」と言われることが嬉しいんですよね。どこかに「自分らしさ」がないと、編集さんからもリピートしてもらえないんじゃないかなって感じています。

 

また、モデルさんのかわいさを最大限に引き出したいといつも考えています。人気のモデルさんには仕事が集まるので、同じモデルさんをたくさんの美容師さんが起用しているケースが多いです。だとしたら私は、たくさんの美容師さんの作品の中で、1番を目指したい。そのためには、モデルさんの新たな魅力を発掘することがとても大切なんです。

 

 

私自身、同じモデルさんなのに、私以外の美容師さんの作品を見て「ドキッ!」とさせられることがあります。そうすると「やられたな」って思うんです。なので、モデルさんの情報を事前に集めて、新しい魅力を引き出せるポイントを探しています。例えば、エラが出ているとか、眉毛が太いとか、モデルさんのコンプレックスがあったとしたら、それを隠すのではなく、チャームポイントに変えるデザインを考えてみる。例えば、少し四角いというか、角張った体型を気にしているモデルさんには、その人にしか出せないバランスがあります。なので、あえてヘアも衣装もスクエアな感じを強調するものを選んでみるとか。

 

コンプレックスを隠すんじゃなくて、見せることで素敵になれたらモデルさんも幸せじゃないですか。これは撮影に限らずですが、美容師の仕事を通じて、その人の新しい魅力や可能性を引き出すことに挑戦していきたいといつも思っています。バランスが難しいので、本当にいつもギリギリの勝負になってドキドキしますけれど。

 

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