美容師の道はキングダムに学べ! キングダムLOVER美容師会<後編>

キングダムならではの、「意思をつなげる」シーンに人気が集中!

 

―次は、皆さんの好きなシーン、美容師として共感するシーンについて教えてください。

 

 

饗場:いっぱいあるんですけど、定番のシーンを避けて挙げると、飛信隊の一員である尾平(びへい)が侵略した村で同行していた桓騎兵にそそのかされて村人の腕飾りを盗ってしまい、それが信にバレて、隊を追い出されるんです。それで、尾平もずっと一緒にやってきたのにとふざけんなとなるんですけど、略奪凌辱禁止にしている飛信隊を桓騎兵にバカにされると飛信隊の想いを叫びながら殴りかかっていくんです、当然ボコボコにされたんですけど、されながらもまた尾平の心の中には飛信隊への思いがふつふつと湧いてきて……「やっぱりおれには飛信隊しかないんだ」ってなるわけですよ。

そこで、やっぱ仲間っていいなって思うのもあるんですけど、そのあとに、飛信隊に戻って怪我で寝ている尾平に対して信が自分の理想を語りかけるんですよ。このシーンがサロンワークにすごく重なるところがあって、やっぱりサロンって、人と人がいる空間だから、どんなに出来のよくない子だろうが、やっぱり思いがあるわけだし、それを引っ張っていく人にも思いがある。それぞれの思いが合致したときはこれほど強いものはないよなって思う。そういう店が素敵だなって思うし、そういうお店でありたい。

 

VAN:今のは昌文君(饗場さんのこと)! 自分をどうやって見せるかって、すごいブランディングしてるよ!(笑)

 

 

 

VAN:俺もね、好きなシーンはいっぱいあるんだけど、ある戦が終わって信が麃公に「勝ったときは、勝ちを喜んで酒を飲め」ってことを言われるシーンが特に印象的ですね。

 

塚本:あー、秦軍が勝ったものの、いっぱい人が死んで信が勝ちを喜べないっていうね。

 

VAN:あのシーン、すごい自分もわかるなって思ったの。

勝ったかもしれないけど、信はあれだけ仲間を失って、勝ちの酒を飲めないっていう状況になるの。でも麃公は、いろんな決断があった上で今の状況を喜ぶことも次の士気に繋がるって言うんだよね。信が小童(こわっぱ)だからさ、立場的には前を見なきゃいけないのに、それができない。そこが自分の感覚と被るんだよね。「勝ったかもしれないけど、これだけ人が死んで喜ぶことか?」っていう境地を抜けなきゃ将軍になれないんだろうなっていうのもわかるんだけど。

進むためには優先順位を見極めろっていうのは、ああいうのは現代にも活かせるところがあるじゃないかな。

 

 

SAKURA:私もいっぱいありますが、人の思いが見えるシーンがすごい好きです。政をなんとしてでも秦に送り届けようとする紫夏(しか)のシーンもすごい好きだし、政がそれを思い出して話すところも好きです。あとやっぱり王騎が死ぬところですね。信に自分の馬からの戦場の様子を見せたあとに「これが将軍の見る景色です」と言うんです。麃公の最期のシーンでの「火を絶やすでないぞォ」というシーンもそうですが、それが、意思を継いでいくということに繋がるんですよね。わたしは今成長していっている信たちの側として、武将であるVANさんや先輩方と同じ景色を見たい、想いを継ぎたいという気持ちにすごく共感します。

 

 

JUN:うんうん。たぶん、美容の世界で何が部下に対して一番説得力があるかって、教えることじゃなくて背中を見せることだと思うんです。サロンワークだと見えないかもしれないけど、自分が外に出てどういう仕事をして、どういう目でほかの美容師から見られているのか、姿を見せること、それが一番説得力があるというか、「景色を見せる」っていうことなのかな。

セミナーやヘアショーで、何が一番緊張するかというと、自分の店のスタッフやアシスタントがどう見ているかっていうことなんだよね。

 

SAKURA:私が読むきっかけになったのも同じような感覚なんですよ。

VANさんがすすめてくださったんですけど、なんでそれをいいと思っているか知りたいというか、VANさんの言葉に対して、「なんでそういう風に言うんだろう」っていうのを理解するためには、VANさんが好きなものや刺さるものが知りたいと思ったんですよ。それを知ることでより響くようになるというか。見方が変わるじゃないですか。自分がキングダムを読むきっかけになったのも、「背中を見る」という部分に繋がるなと思います。

 

VAN:同じ戦場に引き込むっていうのも先輩の一つのやりかただよね。

賞を取ったとか、売上上げたとか、結果を見せるっていうのは、もちろんわかりやすい説得力だけど、そうじゃなくて、実は毎日の現場の中で戦場への意気込みを見せるってことが一番伝えなきゃいけないことなのかも。

 

SAKURA:その景色を見たいですよね、やっぱ。

 

 

津田:キングダムの中では、「将軍の見る景色」っていうのがキーワードとなって要所要所に出てきますよね。信や蒙恬が意識するシーンもありますし。

戦の最中、大事なときに信が下を向いて集中するシーンがあるじゃないですか。周りは「なにやってるんだ」と思うかもしれないけど、自分のパワーを貯めるというか、いきなり止まって考え出すシーンがあるんですよ。そのときに「将軍の見る景色」っていう言葉を思い出すんですよ。信、蒙恬、王賁という若い三人が、それを目指していろいろなことを乗り越えていくのがすごい美容と似ているなって思うんです。

 

サロンワークでも、たくさんお客さんがきてテンパっちゃうっていう時があるじゃないですか。でもそのピンチのときこそが、ワンランクレベルが上がる瞬間になるというか、ピンチだし辛いんだけど、これを超えてきた人が将軍になれるじゃないですけど……活躍できるんだなっていうのが、すごい美容師の仕事と似てる!

 

>美容業界とキングダムに共通の課題が?

 

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