尖りすぎず、“行きやすい”と思ってもらえるブランディングを意識

今の私のセルフブランディングの柱は、ブリーチをベースにしたとろみカラーとボブです。もともとブリーチワークが好きだったこともあり、ブリーチの上に重ねる透明感のあるブラウンのとろみカラーを推しています。

SNSでの投稿やブランディングでは、“行きやすい”と思っていただけることを大切にしていますね。今のサロンは価格帯も安価ではないので、敷居が高くなりすぎないよう人柄も含めた魅力を打ち出していきたいんです。

例えばですが、高価なものやハイファッションを身に着けて憧れてもらえる美容師になるよりも、お客さまに共感していただけるようなファッションやアクセサリーを選ぶよう心がけています。

それ以外の部分では、人に対しての興味がかなりあって、記憶力が良いことも強みのひとつだと思っています。私、お客さまとの会話をほとんど覚えているんですよ。自分で意識したことはなかったのですが、他のスタッフに「よく覚えていてすごいね」と言われることが多く、これが自分の強みかもしれない！と意識するようになりました。

お客さまと話していると、その話題に出てきた場所やお店などに自分もすぐ行きたくなってしまい実際に足を運ぶことも多いです。次回来店のときに「行ってきましたよ」と話すのも楽しいのですが、せっかくSNSの時代なので、ストーリーにのせるときに小さくお客さまをタグ付けするようになりました。そうやってちょっとした繋がりを大事にして、“月1回会う友達”みたいな存在になれたら嬉しいな、と。

美容師さんって、誰しもプライドを持ってやっているので、おしゃれじゃないものに拒否感がある人も多いと思います。例えば、「Instagramの投稿写真に文字入れしたくない」などもそうなのですが、今、自己ブランディングで悩んでいる方は、一度そういうものを取っ払ってみたら新しく見えるものがあるかもしれません。あとは、SNSは始めたらロボットのように習慣的に継続することが大事だと思います！(笑)

今、私は26歳ですが、やりたいことがたくさんあるんです。小さなことで言うと、ヘアアクセサリーを作ってみたいですね。

将来的なことを視野に入れたら、結婚や出産を経てサロンワークがしづらい状況になったときにマネジメントや裏方として美容業界と関わっていきたいという目標もあります。そのための足場づくりも、今サロンワークと並行して計画中です。

プロフィール

noi Calm／トップスタイリスト

浅野詩穂（あさの しほ）

三重県出身。国際文化理容美容専門学校卒業後、都内のサロンに入社。2年目でスタイリストデビュー、5年間務めたのち、2021年11月にオープンした現在のサロンのオープニングメンバーとなる。SNSではセルフアレンジのリールでフォロワー数を伸ばし、サロンワークではボブととろみカラーをメインに打ち出している。

Instagram：＠shiho___asano

（文/須川奈津江　photo/松林真幸）

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