シザーのプロが語る「有名美容師の共通点」

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美容師の命、シザー。それを知り尽くすプロの話をうかがうために、今回は道具にこだわる腕利きの美容師さんに支持される「OKAWA pro-scissors」の大川啓介(おおかわけいすけ)代表のもとに向かいました。シザーのイロハや有名美容師のこだわり、そしてシザーの作り手として、世の美容師さんたちに伝えたいこととは?

 


 

有名美容師は徹底的に切れ味にこだわる

 

「OKAWA pro-scissors」はオーダーメイドなので、シザーを販売するときは基本的に美容師さんと直接お打ち合わせをして、その情報をもとにシザーの切れ味や、メガネハンドル、オフセットハンドル、小指かけなどを調整していきます。これまで数千人の美容師さんとお会いしてきました。

 

そのなかで気づいたのは、予約が絶えない有名美容師さんほど切れ味にこだわるということ。しかも、よく切れればそれでいいのではなく、「使い始めて3、4カ月くらい経ったくらいの切れ味が好き」とか「刃元はあんまり切らせたくない」とか、さまざま要望をいただきます。これに応えるには、相当な技術と時間が必要です。

 

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ウチは小さなブランドですが、同じ職人が製品づくりからメンテナンスまで全てやるので性能にばらつきがなく、好みの切れ味を提供できるから、選ばれているのだと思います。

 

「切れ味」はとても微妙なニュアンス。工房にはウィッグがいつも用意されていて、何度もカットし、チェックしながら、微調整を重ねて納品できるレベルまで持っていきます。美容師さんの仕事やお客さまの仕上がりに影響しますから、1丁も手を抜くことはありません。

 

初めてのシザーが重要

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どの仕事も最初が肝心だと思うのですが、シザーも同じです。自分に合わないものを選ぶと、押し切りなどのクセがつき、腱鞘炎を誘発してしまったり、思い通りのカットができなかったりします。

 

もちろん、お勤めのサロンのカット理論や手の大きさなどで、シザー選びは変わります。そういう特殊要件を除いて考えた場合、どんなシーンにも対応できる基本構成としては、5.5インチから6インチのメインシザー、ドライカット、25%前後のセニングの3丁がベターではないでしょうか。

 

サロンの先輩に相談しながら決めたり、貰い物で切れない状態のまま使い続ける人もいると思いますが、本人の使いやすさが一番なので、実際に現物を手に取ってプロに相談しながら決めるのが理想的だと思います。

 

その他のシザー選びも、たとえばメンズカットが増えたらスキ率の高いセニングシザーを追加したり、少量ずづすきながら繊細なニュアンスを作っていきたいのであれば、逆にスキ率の低いタイプのセニングもあったほうがいいかもしれません。メンズの刈込みなら7インチなど長めの刈込用シザーをつかうと整った美しいヘアスタイルが作れます。いきなり全部そろえるのは大変かもしれませんが、納得のいく使いやすいものを妥協せずに選んでいただきたいです。

 

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>押し切りを避けるシザーの手入れ

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