人脈は、伏線。損得を考えたら広がらない! CODE+LIMワタローさんの人脈論

セミナーで信頼を得る方法|生徒に怖い先生を演じてはダメ! メリハリを大切にする

 

 

最近、母校での講師やセミナーの仕事が増えてきました。講師や、コンテスト審査員などを定期的に任せてもらったり、札幌や福岡のセミナーに呼ばれたり、本当にありがたいです。

 

セミナーで信頼を得るには、話術はもちろん、講義の持っていき方や演出、間などをうまく回せるようになるまで試行錯誤の連続。大切にしているのは、授業にメリハリをつけつつ、楽しそうな先生だと思ってもらうことです。出欠確認など最初のコミュニケーションでは、陽気に接しつつも、技術を見せるときはバシッと決めるようにしています。

 

以前、3回連続でセミナーが続いたとき、どうしたら満足度が高くなるのか試してみたんです。1回目は厳しい先生を演じて固い雰囲気で接したら、意識の高い生徒はついてきてくれましたが、クラスの雰囲気が悪くなってしまいました。2回目は仲よくやることを大切にして、コミュニケーションをたくさん取るような授業にしたら、和やかにはなりましたが、学びが少なくなってしまいました。この2つの経験を踏まえて、3回目からは「行くのが楽しみになるような授業にしよう」をコンセプトに言動や素ぶりにメリハリをつけてみたら、すごく評判がよくなりました。

 

そういった評判が信頼につながり、次のセミナーに繋がっています。僕はまだ28歳なので、教えられることは少ないのですが、それでもお声がけいただくのは、楽しそうに授業をやることも理由のひとつだと思います。美容という仕事を楽しんでやっている姿を見せてくれる人に学校側は講師を頼みたいんじゃないでしょうか。

 

出会いを大切にしながら、今は目の前のことを地道に積み上げていく

 

 

上司でもある「LIM」統括ディレクターのカンタロウは、僕のお手本。カンタロウはとにかく、自己紹介がうまいんです。「美容師で、不定期で大阪にバーをやっていて、大阪や東京だけでなく海外にもサロンがあって、家族はシンガポール在住で、社長」と、肩書きが100個くらいあり、レアカードを次から次へと繰り出します。それも決して自慢ではなく、聞かれた質問に対して倍にして返すような感じ。

 

僕にはカンタロウのようにいろんな肩書きを持つのはまだ難しいので、今はただひたすら美容の道を一生懸命突き進む時期だと思っています。カンタロウにも「お前も俺の歳になったら“何か”をたくさん持つようになるよ」と言われ、すごく納得しました。

 

僕にとって人脈は、伏線でもあります。自分の好きなアーティストや映画監督と知り合いたいなと思っていたら、広げてきた人脈によってその映画監督が髪の毛を切りにきたりしてくださることもあります。もちろん、サロンにきてくださるお客さまもとても大事ですが、好きな映画監督や俳優さんの髪型を手がけられるのはとてもうれしいこと。ミュージシャン、アーティスト、彫り師、インフルエンサーなどの若手クリエイターの方たちが、お客さまとして国内外からきてくださるのは、小さい目標をたくさん立て、柔軟に対応してきた結果ですから。今後も損得はあまり考えず、一つひとつの出会いを大切にしながら、その出会いを糧にし、いつかくるその日まで地道にコツコツ、美容の技術を磨いていきます。

 

プロフィール
CODE+LIM
スタイリスト/ワタロー

1990年生まれ。千葉県出身。ベルエポック美容専門学校卒業、LIMに入社し大阪で4年間のアシスタント時代を過ごす。その後2016年に東京の「CODE+LIM」のスタッフとして参加。ヘアメイクのみならず、美容学校の講師としても活動している。

 

(取材・文/沖島麻美 撮影/河合信幸)

 

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