QUQU 浦さやか×楽人がつくる、5楽章のヘアショー「orchestra」の全貌。「いいかも」では終わらせない。「これだ!」が出るまで考え抜く
第四楽章 クラシカルミリタリー
―二人の意外な違いもわかったところで(笑)。続いて第四楽章ですね。

浦:この楽章のテーマは「クラシカルミリタリー」です。ここの演出はね、めちゃくちゃ迷いました。他のスタッフも加わって8人での構成ということもあって、もともと考えていたことから、かなり変わりましたよね。
楽人:だいぶ変わりましたねえ。
浦:ひっくり返りました。内容としては、ずっと悩んでいた作曲家が、ついにひらめいたり、何かを思いついたりして、最後に殻を破るイメージです。最初は、花が出てくるような表現を考えていました。それと、お面をつけることは決まっていたんです。動物って、なんとなくクラシックっぽいよね、という話から、「じゃあ、お面をつけよう」と。そこにクラシックの要素を足すためにレースをつけたりして、お面を取ったときにカラフルな花があったらいいなと。「新しいものが生まれる」みたいな表現にしたくて。花を買って準備までしてたんですよ。で、首には大きな襟をつけて、蓄音器みたいにする案もあって、実際に制作までしていたんです。でも、そこまで準備していたのに、「なんか違うかも……」となって(笑)。それよりも、もっとアニマル感を出したほうがいいんじゃないか、と。お面と動物の要素を軸に、8人で話している中で「迷彩柄はどう?」というアイデアが出てきて、「あ、それいい!」となりました。

浦:大人数でやると、いろんな人の意見が出てきていいですよね。誰かがぽろっと言ったことを拾って、「それもいいね」と広がっていく。例えば、「迷彩にしたら、この襟は合わなくない?」という話になって、襟はボツになったりとか(笑)。「ごめん……」ってなりましたけど、そこから「じゃあ、スーツもビリッと破いたらいいんじゃない?」と新しいアイデアが出てきて。そこで一度「これ、いい!」という空気が全員の中に生まれてからは、「じゃあ、こうしよう、ああしよう」と一気にまとまっていきました。

最後は、みんなでまとまって何かをしたいという話になって、「大きな音符を持って、軍隊みたいに歩いたらどう?」と。さらに「それが楽譜だったら面白いね」となって。ひとつラインが決まると、そこにアイデアがギュッと集まってくるんです。
楽人:「楽譜をみんなで持つ」案にたどり着くのはめちゃくちゃ早かったんですけど、そこから長かったですね。休みの日にお昼ご飯を食べてから話し始めて、全部まとまったのが夜。楽譜をどう持つのか、最後をどうやってフィニッシュするのかを細かく詰めていったりして。
浦:それより、迷彩にたどり着くまでがすごかったよ。そこが一番時間かかった。二転三転して、みんなで体育座りして7〜8時間ずーっと(笑)。でも、その時間があったからこそ、たどり着けたんですよね。やっぱり粘らないとダメなんです。「こんなもんでしょ」で終わらせると、あとから「やっぱり違う」となるから。
絶対に「これだね!」っていう瞬間があるんですよ。「だね!」「だね!」って、全員が同じところを向く感じ。でも、「これ、いいかもね」「いいよね」くらいの段階だと、大体ダメなんです(笑)。だから、「これだ!」となるまで待ち続けて、話し合う。アイデアを出しまくって、そこにたどり着くまでやめない。それは一人で考えるときも同じです。単語を出してみたり、実際に動いてみたり、色々やりながら考えます。
楽人:逆再生の話になって、全員で逆再生みたいな動きをしてみたりもしましたね(笑)。
浦:散歩に行ってみたりね。いろんな角度から考えて、脳をずらしながら。脳も体も使って、ひらめきを探していくんです。