QUQU 浦さやか×楽人がつくる、5楽章のヘアショー「orchestra」の全貌。「いいかも」では終わらせない。「これだ!」が出るまで考え抜く

自由度の高いヘアショーならではの面白さ

 

―今回のステージを終えてどうでしたか?

 

 

浦:このQUQUのヘアショーは、ヘアスタイルにすべてを注ぎ込まなくてもいいと思っているんです。いろんな角度からアプローチできるので、遊びのあるステージがあってもいい。もちろん、かわいくすることは大前提ですけど、例えばここではヘアセットを見せて、別のステージではカットを見せる。ずっとカットしているところを見せても、観ている側も飽きちゃうじゃないですか。だから、普段ならやらないようなものを髪に刺したり、ねじ込んだり、顔を全部隠して着ぐるみのようにしてみたり。そういう遊びも、ステージがたくさんあるからこそ盛り込めたんです。普段のサロンワークではなかなかできないことを思い切りできる。それが、このヘアショーの魅力だと思います。

 

 

自分たちのやりたいことを思い切り詰め込めるので、すごく欲求が満たされるんですよね。一方で、やりたいことができるからこそ、つい詰め込みすぎてしまう。これまでには、そこから「引き算をしないと」という反省が出ることもありました。

だから今回は、かなり引き算しました。特に演出の部分は、できるだけ削ぎ落としてつくっています。その分、終わったときの満足度は高かったですね。

 

来年のヘアショーは大爆発!?

 

―満足度としては高かった一方で、次にこうしたいという部分もありますか?

 

 

浦:今回は2人とも初めて、自分たちのソロのステージがなかったんです。これまでは、楽人なら音楽が好きなので、音楽に絡めたステージを毎回やっていたし、私は毎回、和の方向に振り切ったステージをつくっていました。今回は、そこをあえて省いたんです。だから、ある意味では「今回はできなかった」というフラストレーションが、来年にたまっている(笑)。最後まで「やりたいよね」と話していたけど、「今回は違うよね」と我慢しました。今回はクラシック音楽を軸にして、音楽を担当してくれた子の「一曲を通してやりたい」という意思もあったので、そこに私たちがやりたいことを詰め込みすぎると、逆に邪魔になってしまう。お互いに、ここは引く、ここは攻めるということを考えた結果、今回はあえてやらないという選択をしました。それはそれで、すごくよかったと思います。でも、来年は大爆発するかも(笑)。

 

楽人:ヘアショーをやっていて楽しいのは、撮影ではできない空間演出や、音楽が表に出てくるところなんです。僕も浦さんも、結構音から全体を決めるんですよね。まず音を選んで、そこから雰囲気を考えて、全体をつくっていく。だから、音楽はすごく大事な要素なんです。今回は、その音楽に自分が携われていないもどかしさとありましたね。いつも音楽で、自分のアイデンティティを出している側面もあるので。

 

 

浦:結果的には、その分、内容に集中できたところもあったんです。音楽まで自分たちでやっていたら、もっと大変なことになっていたかもしれない(笑)。そう考えると、今回はこれでよかったと思います。でも、次はそこもまたやりたいよね、という気持ちはあります。今回で3回目なので、4回目以降は少し雰囲気を変えてもいいのかなとも思っていて。毎回来てくださる方もいて、少しずつ「QUQUのヘアショーはこういうもの」というパターンも見えてきていると思うので。

 

楽人:話を聞いていて、ちょっと不安になったのが、ショーって15分の音楽を考えるだけでも、前日まで悩んでいたりするじゃないですか。それが1時間になったら、どうなっちゃうんだろうって(笑)。

 

浦:やったことがないのが、まさにそこなんですよね。全部を自分たちでやるというのは、まだ未開の地(笑)。もしやるなら、マジで、もっと早く始めようね。

 

楽人:ほんとに、早く始めましょう!(笑)。

 

 

QUQU代表

浦さやか(うら さやか)

 

 

9月11日生まれ。長崎県出身。都内2店舗を経て2020年よりLECO内田聡一郎と共に渋谷にヘアサロンQUQUをオープン。代表として一般誌から業界誌、ヘアショーに至るまで幅広く活躍。 独自の感性で他にはない「メカラウロコ」のデザイン提案を追求しており、海外からの指示も熱い。

Instagram:@ququ_ura

 

 

QUQU

creative director/楽人(らくと)

 

千葉出身。日本美容専門学校卒業後、FLOWERSに入社し、2015年にotopeのオープニングスタッフとして参加。2018年4月にスタイリストデビュー後、2020年にQUQUに移籍。独創的なセンスの持ち主で、デザインカラーが得意な美容師からも注目を浴びる。

Instagram:@ququ_raaakun7

 

ヘアショー会場:株式会社ダリア JUNCTiON SHIBUYA

(文/富樫聡美 撮影/菊池麻美(インタビュー部分))

 

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