QUQU 浦さやか×楽人がつくる、5楽章のヘアショー「orchestra」の全貌。「いいかも」では終わらせない。「これだ!」が出るまで考え抜く
第五楽章 ホワイトスーツ
―最後の第五楽章は、それまでと一転して、真っ白な構成が印象的でした。

浦:この楽章のテーマは「ホワイトスーツ」です。ここまでずっと真っ黒な印象だったので、最後に一気に真っ白にするというのは、結構早い段階で決まっていました。その後、クッションをいっぱいつけて大きくするというアイデアは、だいぶ後半になって思いつきましたけど。
楽人:結構ギリギリでしたね(笑)。
浦:私が持っている「ナナチ」というキャラクターのクッションがあるんですけど、それがヒントになりました。
楽人:え、聞いてない(笑)。

浦:デザインそのものを思いついたというより、雰囲気というか。私たちは、何か「つまみ」が見つかると、そこから一気に広げていくんですよね。どちらかが何かのきっかけを見つけて、「あ、じゃあ!」となって、もともと準備していたものや、好きなもの、「こういう感じいいな」と思っていたものにつながっていくと、一気に膨らんでいく。今回は、まさにクッションがその「つまみ」でした。それで、綿を発注したら、でっかい段ボールが2つ届いて(笑)。そこからめちゃくちゃクッションを作ったんですけど、意外と大きなものができて、この形に。だから最初からデザインが決まっていたというより、まずクッションをたくさん作って、それを実際に当てながら、だんだんイメージが決まっていった感じです。
私のほうは赤いハートとレースがついてるんですけど、これにはもともとやりたかったアイデアがあって。1年くらい前に、楽人とある業界誌の企画で1ページずつ担当したことがあったんです。そのとき、楽人はトゲやスタッズ、パンキッシュなものが多い。一方で私は、どちらかといえばかわいいものが多いねという話になって。だから、楽人が「アナーキー」なら、私は「穴あき」だねって(笑)。それで、「穴あきとアナーキー」というタイトルで、それぞれの世界観を表現したんです。それを今回のヘアショーでもやりたいと思っていて、実は最初はヘアショーのタイトルだったんですけど、いつの間にかボツになっていました(笑)。
楽人:(笑)
浦:でも最後の最後に、「やっぱり穴あきとアナーキー、やろうよ」となって。楽人はトゲ、私はレース。そして私は、かわいさの象徴として赤いハートをつける。楽人は黒い星をつけるという、対極の仕上がりにしました。同じ素材を使いながらも、仕上がりは真逆。でも、同じ世界観の中で成立するようにしたかったんです。決めてからは早かったですね。最初からこれをやるつもりだったわけではないんですけど、「やろう」となってからは一気に決まりました。

楽人:僕は当日まで、細かい部分に悩んでいました。最後にもう少し何かないかなって。でも当日は、会場や照明、音響周りまで全部仕切らないといけないので、時間もなくて。それでもどうしても決まらなくて……。そんなときに、アシスタントが「こういうのはどうですか?」と提案してくれて。最終的には、当日に一番大事なヘッドピースを変えたりもしました。アシスタントもそうですし、協力してくれているVJやカメラマンなど、周りのスタッフも毎回レベルアップしてくれている感じがあって。今回は特に、それを強く感じる回になりました。