Z世代のスター発掘！ “媚びないHair design”を武器に、女性の思い描くかわいいスタイルを貫き通すSOL.の杉本伊吹（すぎもと いぶき）さん
一人ひとりのお客さまにじっくり向き合ったサロンワークがしたい
その後、ご縁があって前社に入社しました。当時、私はアシスタントだったのですが、カラーだけはやりたくて、上の人にかけあったんです。前例はありませんでしたが、営業中にお客さまを呼ぶことを許可してもらえたのはありがたかったですね。美容師になってトータルで4年4カ月目にデビューしたのですが、たくさんカラーの経験を積めたのが、スタイリストデビュー後に順調に波に乗ることができた一因だと思います。
実は、SOL.に入る前はフリーランスになろうと考えていたんです。会社に属していると、特に大きなサロンの場合は、枠数を増やして回転率を上げることが求められますよね。私はサロンワークでお客さまをかわいくするのが一番大事だと考えているので、“回している”感じにならず、一人ひとりのお客さまと向き合えるフリーランスがいいのかな、と。
そう考えていたときに、うちの代表に声をかけてもらったんです。「まだデビューして1年目だし、正社員として学んで経験を積んだ方が今後のためになる。無理に枠数を増やさずに好きな働き方をすればいいから」と言ってもらえて、そのとおりだな、と今年の1月にSOL.のオープニングメンバーになりました。
今年7月から専属アシスタントを一人つけていますが、基本的にはしっかりお客さま一人ひとりと向き合えるサロンワークを続けています。理想のやり方で、私がもっとも大切にしているサロンワークができる今が、本当に楽しいです。
苦手だと思っていたヘアアレンジが今では自分のブランディングに
最近で一番人気だったのは、ヘアアレンジをいくつか集めた投稿です。ヘアアレンジは、時間があるときに、お客さまに「やってもいい？」と聞いてアレンジして写真を撮っています。「こういうのがやりたい」と事前に考えているわけではなくて、お客さまのその日のカラーや服装、雰囲気に合わせて直感で作っていますね。
今、私はハイトーンとヘアアレンジを中心にブランディングしているのですが、以前はヘアアレンジって苦手だったんです。細かい作業が苦手で、カラーのリタッチが自分ができる最大限に細かい作業だと思っていました（笑）。
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転機が訪れたのが2社目のサロンのとき。メインでついていたスタイリストさんが、アレンジが得意な人で、よく近くで見ていたんです。始めは、「すごいな」と見ているだけだったのですが、ふと自分のカラーモデルさんにやってみたら意外とできるし楽しいことに気づきました。まさかそれが自分の武器になるとは思いもしませんでしたが、やってみてよかったです。
どんな環境にいても、自分の好きなスタイルを貫き通すことが大事
私が作るのは、男性が理想とする“かわいい”ではなく、あくまで女性目線の“かわいい”を追求したスタイルです。Instagramのプロフィールにある『媚びないHair design』というのはそんな意味もあります。
今、サロンとしては4社ですが、同じようなスタイルを打ち出しているスタイリストはあまりいなかったんです。「もっとサロンの雰囲気に寄せた方がいいかな」と考えたこともありましたが、あえてそれはせず、自分の好きなものを貫き通してきました。どんな環境にいても、「絶対に負けないぞ」と自分が良いと思うものを作り続けることを大切にしています。
お客さまからも、「彼氏や夫からはウケがよくないけど、私はこれが好き」とよく言っていただくので、「気にせずに自分がかわいいと思う髪型にしましょう！」とお伝えするんです。
私は、最初にバズったのが自分のスタイルを載せた投稿だったので、今もそれは求められているのかな、とコンスタントに自撮りを載せるようにしています。
ありがたいことに、それを見て私と同じスタイルにしたいと言ってくださる方が多いです。それ以外は、ほとんどの方がお任せでオーダーしてくださいますね。
自己ブランディングに悩んでいるという同世代の美容師さんには、好きなものを見つけて、その好きなものがどうしたら世の中の人にも好きになってもらえるか考えながら発信をするといいと思います。諦めずに続けていってほしいです。
- プロフィール
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SOL.JINGUMAE／トップスタイリスト
杉本伊吹
富山県出身。富山ビューティーカレッジ卒業。都内3店舗を経たあと、SOL.JINGUMAEのオープニングメンバーとして参加し、現在に至る。艶のあるハイトーンとヘアアレンジを組み合わせたスタイルが人気を集めている。
Instagram：＠ibuki_sugimoto
（文/須川奈津江 photo/宮崎洋）
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