【新卒4カ月で売上200万円】なぜ山北さんは入社初日からスタイリストとして結果を出せたのか?“新人だから”を言い訳にしない。若手の成長を加速させた加藤敦貴の教育法
一年半かけて、必要な技術だけを徹底的に磨く
――山北さんは美容学校1年目に内定が決まって、そこからカリキュラムを進めていったんですね。
加藤:山北は、いわゆる一般的なカリキュラムとはちょっと違いました。一年半くらいの期間で、センターパート、シースルーマッシュ、マッシュの3つのカットと、縮毛矯正。この4つをとにかく繰り返しました。
学生をやりながら、バイトもしながらですから、全部を広くやっていたら「入社と同時にデビューする」という目標に間に合わない。だったら、スタイリストデビュー後に必要になる技術を明確にして、そこを本気でやろう。そんな考え方でした。基本的にウィッグでトレーニングして、晴れて美容師免許を取得し、2026年4月の入社と同時にジュニアスタイリストとして入客してもらいました。
――入社と同時にお客さまを担当したわけですね。
加藤: 初めの1カ月間は、ジュニアスタイリストという形なので、通常よりも低価格なんです。カットが2000円、カット&パーマが8000円、カット&曲がる縮毛矯正が1万円。そこで結果を出せたら、5月から正規料金のスタイリストにするという設定でした。
もともとは50万円を超えたらスタイリスト昇格だったんですけど、山北は果敢にも100万円を目指していました。結果として4月は70万円だったんですが、その1カ月間でかなり成長したんです。だから5月から正規料金に上げました。
――デビュー2カ月目から正規料金になった、ということですね。
加藤:料金を上げることについては、幹部でももちろん話しました。4月に来てくれたお客さまが、翌月にすぐリピートできるわけではないですから。特に縮毛矯正は次回の来店が2カ月後、3カ月後になることも多い。だから5月は、また正規料金で新規を取って、結果を出さないといけない。結構ハードルは高かったと思います。カット5000円、カット&曲がる縮毛矯正が1万5000円といきなり上がることになるので。
ただ、4月の終わりには明らかに山北の仕事のクオリティが変わっていたんです。最初はスタイリングや撮影に少し雑なところがあって、束の出方がきれいに揃っていないとか、細かい部分が気になりました。でも、1カ月で70人近く施術するなかで、本人がそこをどんどん修正していった。完全にジュニアスタイリストからスタイリストの顔つきに変わっていました。
「これならお客さまに入ってもらっても大丈夫だな」と思えるところまで持ってきたので、料金を上げる判断をしました。

山北さんが得意とする技術「曲がる縮毛矯正」
70人を「こなす」のではなく、70人から学ぶ
――山北さん自身は、2026年4月の1カ月間で何を意識していましたか?
山北:やっぱり、うまくいかなかったところは自分でも分かるんですよね。周りのスタッフが上手なので、「何が違うんだろう」と思うことも多かったです。まずは自分で考えて、それでも分からなかったら代表や社長、店長に聞く。それを次のお客さまに生かして、少しでもクオリティを上げるということはずっとやっていました。70人やったから上手くなったというより、70人をやる中で、一人ひとりからちゃんと学ぶようにしていたという感じです。

技術的には、施術時間と仕上げの部分がかなり変わりました。たとえば縮毛矯正は、だいたい2時間半で終わらせるんですが、最初のころは3時間とか3時間半かかっていました。そこで代表から「タイムを計ったほうがいい」と言われて、一つひとつの工程の時間を計るようにしたんです。「何分までにカットを終わらせる」「何分までに塗布を終わらせる」と逆算するようになると、最後にどれくらい時間を残せるかが見える。そうすると自然に施術時間も短くなっていきました。
スタイリングも、ワックスを2種類混ぜるんですけど、その配合や量を毎回考えるようになって。そういう細かいところを一つずつ修正していった結果、仕上がりも変わっていきました。
