独創的なヘア&ファッションは美容師としての高みを目指す覚悟のあかし ーUMiTOS 渡邊なつきさん

試してみてクリアになった。気になる存在を目指していく

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-いまスタイリスト2年目ですよね。デビューのときにこのヘアとファッションを続けることに迷いはなかったですか?

 

どちらかというとアシスタントのときに何度か迷うことはありました。当時は全然中身がともなっていなかったので、この格好をしていいのかどうか砂原に相談することが何度もありました。でもそのときにたくさん相談して悩んだので、デビューの頃にはもう迷いはなかったです。

 

ただスタイリストになるとお客さまとよりダイレクトに接するようになるので、このファッションスタンスの中でもTPOを意識するようにはなりました。予約の並びを見て洋服を決めるのはもちろん、サロンに何着か置いておき、お客さまに合わせてチェンジすることも。新規のお客さまでこのままだとちょっとトリッキーすぎるなというときは、白シャツに変えたりしています。

 

あと2年目に入ってからマダム世代のお客さまも増えたので、実はこの刈り上げも3センチ下げて伸ばしているところなんです。ちょっとした違いで、やわらかい印象になるかなと思って。

 

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TPOを意識し、落ち着いた印象に仕上げた日のコーディネート

 

-マダムのお客さまもいらっしゃるのですね。今後、万人受けする美容師と、ターゲットを絞った美容師、どちらを目指していこうと?

 

うーん、欲を言えば両方です。例えが適切かわからないですがテレビで例えて月9ドラマと深夜枠のドラマのどちらをねらいたいかというと、方向性としては深夜枠なんです。オリジナリティは絶対にもっていたくて、でもやっぱり美容師としてのステータスとして、多くの人に信頼されるのは大事かなとも思っていて……難しい選択ですね。

 

そういう迷いは確かにあって、一度実験をしてみたんです。インスタグラムに一般的に人気のある雰囲気の写真を投稿したり、ハッシュタグをフォロワー数が多い方を真似てつけてみたりして。そうしたらお客さまに、「受けをねらってない?」とコメントをいただいたんです。「なつきさんにはそういうことを求めているんじゃないと思いますよ」って。

 

それでクリアになったというか、もちろんより多くの方のヘアデザインをしたいですが、流行に左右されず、その方にしかできないベストなスタイルを私は提案していきたいです。お客さまにとって、変えがきかない美容師として“気になる存在”でいたいですしね。

 

-最後に渡邊さんが思う、美容師にとってのヘアとファッションとはなんですか?

 

私にとっては、一種のパフォーマンスであり、喜んでもらえる武器かなと捉えています。また、先ほども言ったように、自分に負荷や刺激を与える道具として使っている感覚もありますね。

 

インスタを見て海外からきてくださるお客さまがいたり、スナップ撮影に声をかけていただいたり、ファッションを通して知っていただくことも増えてきました。せっかく出会った方には、楽しい気持ちになって帰ってもらいたい。そんなときにもこのヘアとファッションは力になってくれていると感じています。

 

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プロフィール
UMiTOS
副店長/渡邊なつき(わたなべ なつき)

1986年生まれ。愛媛県出身。琉美インターナショナルビューティカレッジ(旧・琉球美容専修学校)卒業後、沖縄県内1店舗を経て、2012年、砂原由弥さんが代表を勤める『UMiTOS』に入社。2016年6月「フジシンジャパンカップ」準優勝。2017年2月、ルベル主催のコンテスト「I.D.」準優勝。

 

(取材・文/福田真木子 写真/河合信幸)

 

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