街の美容室vol.19 三軒茶屋

−なぜ、三軒茶屋を選ばれたのでしょうか。

 

 

通っていた高校が三軒茶屋に近い桜新町で、三軒茶屋の美容室で働いていたこともありますし、15年くらいこの付近にも住んでいたこともあって、友人も多く、なじみ深い場所なんです。洋服屋さんや飲食店を出している友人、飲み屋さんで知り合った友人もたくさんいます。ここは第二のふるさとのようなもので、店を出すなら三軒茶屋で、と思っていました。

 

 

三軒茶屋ではご飯屋さんなどで飲んでいると、自然に隣の人と会話がはじまり、友だちになれるような雰囲気があります。最初は一人で飲んでいたのに、はしごしていったら最後には10人くらいになっているなんてことが普通にあって、そういう気取らない感じがこの街のいいところですね。「友だちの友だちは皆、友だちだ!」的な(笑)。最近人気が出てきて家賃は高くなってしまいましたが、飲食店は安くておいしいところがいっぱいあります。渋谷も近いし、二子玉川も近いし、隣には駒沢公園もあるし、都会だけどどこか下町っぽい感じが好きですね。

 

 

―店内には、上田さんの目を通して選ばれたものばかりで統一感があるというか……このお店自体から三軒茶屋の雰囲気が感じられます。

 

 

そうですか?……みんなが思う三茶っぽさって、ちょっと混沌としているイメージで、こういう感じなのかもしれないですね。自分がいいと思ったものを集めたら自然とこうなった感じです。

 

 

自分の好きな人がやっていることを応援できたらいいなと思って、友人が監督をしたり出演した映画のポスターとか、画家の工藤村正さんの絵などたくさん飾っています。村正先生は禅も学んでいらっしゃる画家で、ぼくの人生の師匠でもあります。「おまえの目は切れ長の半眼で仏の目に似ているから、人がきっと集まってくるようになるよ。人に何かを求めちゃダメだよ。勉強して、人に与えられる人になりなさい」と言ってくださいましいた。その言葉を鵜呑みにして、めちゃくちゃ勉強してます(笑)。

 

 

女神の甕から水が溢れ出ている「アクア」というタイトルの絵がありますが、「愛は与えても減らない」ということを表現していて、「おまえにぴったりの絵だよ」とくださったんです。自分の利益ではなく、他人の利益を考えて動くことが大事だと教えてくれますが、本当にいつもそうだな、と思っています。

 

 

>経年劣化に感じる成長

 

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