たった10年じゃ、まだまだ成長段階。あえて多店舗展開しなかったサロンの次なる施策とは -10年サロン「Door」のブランディングストーリー後編

2014年〜2017年 店舗移転期

スタッフが活躍する環境を整えるため、移転することに

 

 

2014年3月に、『Door』はリニューアル移転しました。店舗面積は2倍、代官山駅から徒歩30秒の物件です。

 

これまでの店舗が狭かったぶん、リニューアル後は広々とした空間を目指しました。セット面同士の距離も広めにして、待ち合いスペースもゆったりとしています。入り口のドアにもこだわりましたよ。重く、大きな扉で、開けるときに違う自分になるような気持ちを提供できたらと考えたんです。

 

 

移転したのは、アシスタントたちがスタイリストデビューしたことが大きな理由。彼らが活躍するためには、これまでのサロンでは狭すぎたんです。みんなで相談して、移転を決めました。

 

スタイリストは、長く働いてくれている人が多いです。長く働いてもらえる秘訣は…何でしょう?(笑) みんなとにかく『Door』を大好きでいてくれているんじゃないでしょうか。

 

今でも、ふとした拍子にスタッフが『Door』をどれだけ好きでいてくれているかわかる瞬間があります。サロンを経営していて一番うれしい瞬間ですね。

 

世代を超えて価値観を共有するための「56Basics

 

 

スタッフの人数が少ない時代には、「今日飲みに行こう!」と声をかけて、みんなで飲みに行くこともしょっちゅうでした。最近は人数が増えてきて、なかなかみんなで飲みに行く機会はありませんが、そのぶんSNSなどを通して積極的にコミュニケーションをとっています。

 

こうしたコミュニケーションだけでなく、美容師としての価値観を共有するために「56Basics」というテキストも作っています。『Door』には僕と一回りも、二回りも違う世代のスタイリストが働いています。そうするとデザインの価値観は当然異なってきますよね。

 

さまざまな価値観の人が一緒に働くためには、共通のサロン理念が必要です。それを言語化したものが「56Basics」。この本には『Door』というサロンの美容への向き合い方を、「旨い」「センス」「クリエイティブ」などの7つのカテゴリで、計56個記しています。一つ一つのテキストは短くわかりやすいもので、みんな本の余白に気づいたことを書き込んでいます。

 

 

世代も価値観も違う僕たちをつなげてくれるのは、「美容師の仕事って最高だよ」と思う気持ち。目の前のゲストを綺麗にするために、自分はどんな努力をしているのか? それを日々問い直すために、「56Basics」があると思っています。

 

>「美容師は文句を言うもの」?

Related Contents 関連コンテンツ

Guidance 転職ガイド

Ranking ランキング