「まさか私が薄毛に…」50代女性編集者がヘナで変わった。20年のヘアカラー生活を経て見えた“髪と地肌をケアする”という新常識【美容師・メーカー徹底取材】
第2章
「ヘナは美容室でどう扱うべき?」美容師・山本ちかさんの “選択肢を広げる”という発想転換
現在、ヘナ専門サロン「Colorier(コロリエ)」を運営し、自社ブランドのヘナも開発。美容師に向けたセミナーや情報発信を通して、ヘナの魅力を伝え続けている山本ちかさん。
しかし、最初からヘナを目指していたわけではありません。一時はヘアトレンドの最前線を走るサロンで、腕を磨いてきた山本さん。なぜ、デザインを追求する美容師から、ヘナ専門の道を選んだのでしょうか。

コロリエのオーナースタイリスト、山本ちかさん
「タバコのない環境で働きたい」――そこから始まったヘナとの出会い
――山本さんは、もともとヘナを目指して美容師になったわけではなかったそうですね。
そうなんです。新卒で最初に入社したのは、原宿の技術系ブランドサロンでした。当時はちょうどカリスマ美容師ブームの頃で、本当に忙しい毎日でした。
でも、その環境で体を壊してしまって、アットホームな個人サロンへ転職したんです。当時は美容業界全体的に喫煙派が多くて、店内もタバコの煙が充満している感じでした。私はタバコが本当に苦手で、「とにかくタバコのない環境で働きたい」と思うようになって。そんなときに紹介されて入社したのが、ヘナ専門のサロンでした。

放置時間は本を読みながら、ゆったりと過ごせる工夫が
――ヘナに興味があったからではなく、「禁煙の職場で働きたい」という思いが発端だったんですね。
はい。だから最初は、ヘナをやりたくて入ったわけではありませんでした。
2010年、私が28歳の頃ですね。当時のヘナは今以上にマニアックな存在でした。その店舗には、アトピーや皮膚疾患に悩む方や、様々な病気の治療中の方など、「それでも何とかカラーしたい」という思いで全国から来店されるお客さまが多かったんです。サロンの看板を出していなくて、「ヘナ」と検索して、本気で探した人だけがたどり着くようなお店でした。
最初は「美容師として終わった」と思った
――ヘナを始めた当初は、どんな印象を持っていましたか?
正直、「かわいくならないな」と思いました(笑)。デザインをつくる美容師としては、「これでいいのかな」「美容師として終わったかもしれない」と感じたことも。
でも、お客さまを担当し続けるうちに考えが変わりました。「髪が太くなった」「立ち上がるようになった」「ボリュームが出てきた」と、お客さま自身が変化を喜んでくださるんです。私自身もその変化を目の当たりにして、「ヘナにはこんな力があるんだ」と実感するようになりました。

ヘナをベースに、髪質に合わせたハーブをブレンド
――ヘナでボリュームアップ!? なぜでしょうか?
ヘナによって髪が豊かになったと感じられるのは、ヘナの色素が髪のケラチンと結びついて、髪の表面に薄い膜を作るように作用するからです。その結果、細毛だった髪の方でもコシが加わり、結果的にボリュームアップした感覚になります。
アルカリカラーのように、キューティクルを開いて化学反応を起こす仕組みとはそもそも違うので、薬剤ダメージとも無縁。天然のヘナは弱酸性なので、頭皮に近い環境で染められるんです。
ヘナだけで勝負するサロンを開業
――ヘナに魅了されて、現在のような業態のサロンオープンに至ったんですね。
はい。ヘナサロンで約4年間経験を積んで、32歳で独立しました。当時はまだ、ヘナとパーマやアルカリカラーをうまく共存させるのが難しい時代でした。だったら思い切ってヘナ一本で勝負しよう、と。
健康という観点でも、自分自身が納得できる仕事をしたいという思いが強かったですね。そこから12年間、ヘナ専門サロンを続けています。