ICHIGO×森越道大が語る「美容業界の未来」と「デジタルの可能性」とは?デジタル時代を勝ち抜くブランディング・教育・SNS活用の真髄
“社団法人”を立ち上げた理由
――ICHIGOさんは、なぜ社団法人を立ち上げたいと思ったんですか?
ICHIGO:アイ業界は、一人運営などの小規模サロンが8割という業界なんですね。私も今でこそ会社組織にしてスタッフも雇っていますけど、もともと一人サロンでしたし、人を雇って育てるノウハウや仕組みについて全く知らなかったんです。初めて人を雇ったときに、「長く働いてもらうにはどうしたらいい?」と考えて、社団を作って他のサロンとも情報交換できたら安心かなと思ったんですよね。決定的になったのは、新卒の求人目的で美容専門学校に行ったときに、「美容室を経営していないと就職ガイダンスに参加できません」と言われたことです。最近はアイ業界に進みたい学生も増えてきているのに、入り口でマッチングできていないことが衝撃だったんですよ。

森越:アイ業界を志望する学生は、2〜3割いるんだっけ?
ICHIGO:学校によるんですけど、多いところは3割います。今のアイ業界は美容師を断念した人が行くみたいなポジションになっていますが、アイ業界に興味がある学生が美容室に就職して、スタイリストデビューする頃に「私やっぱりアイ業界に行きます」となったら、美容室側にも迷惑ですよね。なので、そこは早いタイミングでマッチングさせておいたほうがいいなと思うんです。専門学校のアイラッシュの授業内容も、現場のニーズに合うようにアップデートできたらいいですし、法人会社を作るにしても社団を作ったほうがいいなと思ったんですよ。

2024年3月、一般社団法人アイビューティー協会を設立
森越:それは本当にその通りだと思います。業界を変えるためには、株式会社だとグーグルくらい圧倒的な力を持たないと難しいんですね。でも社団法人なら、うまく資本を集められれば業界を変えるひとつのきっかけになると思っていて。そのためには3つ重要なことがあって、それが「資本」「数」「大義」です。IBAは始まったばかりですが、しっかりとした大義があるので、数と資本を集めていけば業界の未来は期待できるんじゃないでしょうか。

ICHIGO:アイ業界の仕事が憧れの職業になるように、昇華させたいなと思っています。技術レベルも地域によって格差がないようにしたいですし、社会人経験が少ない状態で始める人も多いので、雇う側のリテラシーを高めるために教育にも力を入れていて。今は、毎月勉強会を開催しています。業界の平和な発展を純粋に目指しているので、みんなで手を繋いで登っていけたら嬉しいですね。

ICHIGOさんが展開する、アイビューティーブランドMinMin