武道館を埋められるメンバーで100人限定のワークショップを リアルを追い求めるLUNDIZOMBIEZ

 

HURRAHディレクターヤマザキケンユウさんとフォトグラファーTAKUMAさんが主催するLUNDIZOMBIEZ。既存の価値観に縛られない多角的なクリエイションを軸に毎年ワークショップを行っています。新潟という土地で100人という限定人数。毎回“湿度”まで伝わるような距離感で時代性のあるクリエイションが行われ、デジタルでなんでも知れると思われる時代に“そうじゃない”価値を提示しています。第1回目の『KOU』、昨年の『ひめごと』と全く違うテーマで行われてきたこのワークショップ。

 

3回目を迎える今回は人気美容師のテンサイズ(LECO内田聡一郎さんとotope浦さやかさんお二人によるクリエイティブユニット)を迎え、「コンプレックス」をテーマに開催。主催者であるヤマザキケンユウさんにワークショップを始めたきっかけや、新鋭であり感度の高いクリエイションを新潟から発信する理由などをお伺いしました。

 

 


数字じゃないリアルを感じるためのワークショップとは?

 

 

LUNDIZOMBIEZとしてワークショップを始める前から、メーカーさんやディーラーさんが主催するヘアショーやセミナーなどは何度も行ってきました。でも企業が関わるヘアショーやセミナーは動員も大規模だし、どうしても制約やタブーがでてくるんです。やっていくうちに「この500人のお客さんは全員本当に心からこれを観たいと思ってきているのだろうか?」「自分はここでやりたい表現を100%できているのだろうか?」という疑問がわいてきたんです。

 

今って数字で価値を可視化するような時代ですよね。例えばinstagramのフォロワー数だったり、いいねの数だったり。でも僕はそこにあまりリアルを感じないんです。だから“本当に観たい、体感したい人が目の前で行われるクリエイションを食い入るように観る”というこの空気感と場を作りたかったんです。人数は100名限定だし、ステージもない本当にフラットな空間で目の前で創られるものを観てもらいます。今回は東京でもなかなか観ることのできないテンサイズを招いてのワークショップ。東京の大きい会場でもお客さまはいっぱいになると思います。でもそれはよくあるエンターテイメントになってしまう。そういうものは僕らじゃなくてもできるから、僕とTAKUMAにしかできないものを考えてこのワークショップの形になりました。

 

作り手がタブーも制約もなく本当に表現したいものをクリエイションし、それを本当に観たい人が固唾を飲んで観て、“リアルを感じてもらう”場。これがLUNDIZOMBIEZが作りたいものです。

 

 

新潟でクリエイションを行うロールモデルに

 

 

僕は新潟出身で、ずっと新潟で活動してきました。新潟は日本一曇りが多い土地だし、冬は寒いし、雪も多いし、田舎だし、都会と比較してコンプレックスを持っている人も多いです。僕も昔はコンプレックスを持っていた時期がありました。でも今は、この曇り空が美しいなと思うし、マイナスに捉えがちなことに美しさとか、面白さとか、楽しさを見いだせるメンタリティを持っていたいと思っています。

 

僕はHURRAHというサロンに所属しています。他の地方でも同じだと思いますが、新潟でクリエイションを行うサロンはとても難しい立ち位置なんです。僕たちが作るようなスタイルに興味があり、意欲的にクリエイションをしたい美容学生はみんな東京にいってしまう。一方、地元でゆったりとサロンワークをしたいという美容学生は、地域密着型で福利厚生のしっかりした大手サロンに行ってしまう。だから僕は新潟でクリエイションを行って、新潟にいながら、全国規模の仕事をする美容師のロールモデルになりたいと思っています。

 

今のように業界紙や、セミナーやヘアショーの仕事ができるようになったのはコンテストがきっかけです。あるコンテストで審査員をされていたDADA CuBiCの植村さん(元DADA CuBiC代表故・植村隆博氏)に「もっと自分から作ったものをアピールしなさい」と言われたんです。そこからコンテストに入賞するたびにブックを持って編集部をまわるなど自らアピールをしたりして、仕事をもらうようになりました。その間もずっと新潟で美容師をしていました。だからこそ、この環境を肯定的に捉えて、楽しいと思いながら表現をすることができるんだっていうのを見せたいんです。

 

>“香り”“エロ”“コンプレックス”僕たちにしかできないこと

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