10分で日本髪!ブレイク必至の「まるまげ」作者に聞く

「まるまげ」が日本文化の入り口になってほしい

 

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恐れ多いことですが、歌舞伎座の床山(髪を結う人)さんからも「まるまげ」の注文をいただきました。本物プロが選んでくれたことに恐縮して、思わず筆をとりました。

 

「私も古典の歌舞伎舞踊をやっていますし、生半可な気持ちでつくったわけではございません。日本文化の入り口になるように、想いを込めました」

 

そんな手紙を添えて送ったんです。この気持ちは本当で、私は世界の人がまるまげを通じて、日本の文化に親しんでほしいと願っています。

 

「まるまげ」はすでに海外にも渡っています。カナダに「日本フェス」というイベントがあって、「着物美人」という着物のファンサイト代表が、「まるまげ」を持って行ってくれました。私もついていきたかったんですが、「簡単だから自分たちでやります」って言われちゃった(笑)。でも、そのイベントの反響すごくて、400個買うって連絡がきたんです。思わず「えー、そんなにないよー!」って。うれしい悲鳴ですね。

 

オリンピックが近づき、海外からの観光客も増えています。「せっかく日本にきたのに着物の人がいなくて残念だった」という人も多いみたいですよ。もちろん、着物を着てみたいという海外の方もたくさんいますよね。そんなとき、「まるまげ」でささっと日本髪をつくってあげればきっと喜んでもらえるはず。着物のレンタル屋さんなどと協力して、広めていきたいなと思っています。

 

「まるまげ」を広めるために美容師さんの力を貸りたい

 

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今後は「まるまげ」以外にも「おいらんまげ」のキットをつくったりして、バリエーションを増やしていく予定です。子供や小さめのこぶが好みの人に向けて、Sサイズもつくりました。年配の方のご要望に応えてグレーのキットもつくるし、海外の方に向けて白や金色のものもつくります。これらをきっかけに、みなさんに日本髪に親しんでもらって、それが日本文化を守り、広めていくことにつがなればうれしいなと思っています。

 

結婚式場の美容師さんなどからは「まるまげは脅威だ」って言われることがあります。でも、私たちは気軽に日本髪をしてほしいだけで、仕事を奪おうとしているつもりはないんです。むしろ、美容師さんの力をお借りしたいと思っています。

 

「まるまげ」は誰でもできる簡単なキットなんだけど、美容師さんがやるとやっぱり速いし、よりキレイに仕上がるんですよ。着付けのサービスをしている美容室とか、外国人観光客に人気のエリアに出店している美容室で働いている美容師さんにはぜひ試していただきたいです。

 

「まるまげ」を広めていくために、デモンストレーションを手伝ってくれる美容師さんも必要だと思っています。「日本髪になってみませんか?」というブースを出すと、いつも反響がすごいんです。でも私たちは少人数でやっているから、さばききれずに行列ができちゃう。去年盆踊り大会で実演したときも、すごいことになってしまって。そんなときに美容師さんがいてくれたら、どれほど心強いことか。そんなに高いものでもないので、ぜひ一度、「まるまげ」を試してみてください。そして、「これはいい!」と思ったら、私たちにご連絡くださいね(笑)。

 

 

プロフィール
深川おどり主催/細川流民族舞踊研究会 師範 細川千穂有佳/芸者デザイナー
大友 千里

東京・深川生まれ、深川育ちの江戸娘。2歳から日本舞踊を習う。ファッションに目覚め9歳からは原宿通い。20代から今まで現役でファッションデザイナーとして活躍。109系からハイブランドまで幅広く携わり、文字通り世界を股にかけて活躍。某有名アーティストの衣装デザインも担当。映画『プラダを着た悪魔』でファッションアカデミー賞を獲得した、パトリシア・フィールドが手掛けるブランドのチーフ・デザイナーも経験。メンズでは「甲冑パンツ」を考案し、読売ジャイアンツの投手陣をはじめとしてプロ野球界芸能界、スポーツ業界、政財界を巻き込んでブームを起こす。ちなみに、タモリさん、吉川晃司さんなどもTVで紹介。現在も、日本舞踊の講師やデザイナーなど多彩な活動を展開している。

https://marumage.stores.jp/
http://fukagawaodori.com/

(取材・文/外山 武史  撮影/森 昭人) 

 

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