【vol.6】100人に聞く!「いまお客さまが美容師さんに伝えたいこと」前編(美容師が知っておきたい最新コロナ情報)

イラストレーション カツヤマケイコ

 

ライターのさとゆみ(佐藤友美)です。

最近、美容師さんたちとお話していてよく聞くのは

「あらためて、この仕事の素晴らしさを感じた」

という言葉です。

なかなか思うような営業ができない中でも、久しぶりに来てくださったお客さまのひとこと、休業中に連絡をとったお客さまにもらった言葉が、支えになっていますという声もたくさん聞きました。

 

大変な状況下で、営業/休業を決断されている美容師さんに、いま、お客さまが伝えたいことはどんなことだろう。それを知りたくて、今回、美容師さん、お客さま双方、約100名に話を聞きました。今回は、めちゃくちゃ長くなってしまったので、前後編に分けてお送りします。

いま、休業されている美容師さんには「お客さまがみなさんとまた会える日を待っている」ことを、

営業されている美容師さんには、「みなさんが営業されていることで、救われる人がたくさんいること」を、お伝えできたらいいなと思って、書かせていただきました。

今日はまず、お客さまから聞いた「いま、美容師さんに伝えたい言葉」をお届けします。

 


 

「ファンだからこそ、今、いきます」

 

今回、話を聞かせていただいたお客さま。

いまサロンに行けていないお客さま、久しぶりにサロンに行けたお客さま、それぞれにいろんな想いがあるようです。

 

先週2ヶ月ぶりにサロンに行ったという女性からは、こんなコメントをもらいました。

 

「当たり前に思っていた場所がすごく特別に思えました。考えてみたら、普段から、ものすごく衛生面も気をつけて対応してくれているのですが、今回はそれ以上に、消毒したり、他の方と重ならないようにケアしてくれたり……。涙出そうになりました。

代表の方が、『赤字で公庫からお金を借りたけれど、それでも来てくださる方に感謝したいから、割引しようと思っている』とおっしゃるので、それは絶対やめてほしいとお伝えしました。

それまでどこの美容室に行っても薬剤に負けて肌荒れしていた私に、荒れない薬剤を探してくださり、一人ひとりのお客さまのことをしっかり考えてくださるところなんです。その上での価格設定だから、その価値を下げちゃダメって思ったんです。こんな時だからこそ、このお店のファンは迷いながらも来るんです。そんな時に割引しちゃダメ。またきますからって伝えました」(東京・50代・女性)

 

自身も同じ経営者として、これまで通った美容師さんたちの顔が浮かんでいるという男性も。

 

「地元の人に寄り添うためにお店を開けてくれている美容師さん。起業したての僕をサロンで励ましてくれた美容師さん。いつも楽しそうに僕の髪をアレンジしてくれる美容師さん……。これまで僕の髪を切ってくれていた、みなさんの顔が浮かびます。

毎月行っている場所だったのに、ふと鏡をみると、綺麗に切り揃えてあったはずの髪がボサボサになっていて、そして、美容師さんの不在に気づきます。その日が来たらすぐにうかがいますので、お店で待っててくださいね。みんなみんなみんな、僕のヒーローです」(東京・47歳・男性)

 

髪を切ってもらうことで、自粛生活の自分を元気にできると話す男性もいました。

 

「NYの方が、ロックダウンの心構えを書いていたのを読みました。家での過ごし方、備えておくべきモノ……。その中でものすごく共感した項目が『髪は早めに整えろ』でした。

僕は、月2手入れのショートクロップ。お世話になっている店主は、1歳児のいる家族との生活と営業への葛藤を抱えながらも、ハサミを振るってくれています。それに対して、僕がささやかだけどできること。それは、整えてくれた髪への最大限のリスペクトだと思っています。

毎朝LAYRITEで髪を整える。その瞬間、お店を出る時の、あの誇らしげな気分になれます。この髪だから、自宅待機を乗り切れる。自分の役割を持ち場で全うしようと毎朝思わせてくれる、美容師さんと理容師さんに、心からの感謝を伝えたいと思います」(東京・40歳・男性)

 

「緊急事態宣言が出た翌日に行きました。マンツーマンでやってくれる美容室なので、ついつい毎回いろんな話をしてしまいます。時々『そんなふうに、人のことを気にしていちゃダメよ』と怒られちゃうくらい(笑)。信頼できる人なんです。

このコロナの騒動があっても全然動じず、コアなファンのお客さまを相手にいつも通りの時間を過ごさせてくれる人です。また近く、予約しようと思っています。僕にとっては、エクスキューズせずに行ける、数少ない貴重な場所。そんな場所があることがありがたいです」(東京・50代・男性)

 

予約を入れて、会える日を待ち望んでいるという女性がこちら。もう10年以上、同じ美容師さんに担当してもらっているそうです。

 

「毎回ハッピーパワーと自分の理想とする髪型をプレゼントしてくれる美容師さんです。今回、予約を入れようとしたところのコロナ自粛。新しく異動されたというサロンに行く時間が延びてしまっていますが、神業カットのおかげで、今も髪型が収まり、心の支えになっています。自粛が明けたらすぐに飛んでいけるように、予約を入れました。自粛が伸びてもまたすぐに取り直します! 私にパワーをくださる美容師さん、私の大切な場所を守りながら待っていて下さいね!(東京・40代・女性)

 

 

大切な場所だから、今は行けない

 

本当はサロンに行きたい。でも、それぞれの事情でサロンに行けてないお客さまもいらっしゃいます。

 

「かれこれ4ヶ月も美容室に行けていません。基礎疾患を抱えている私は新型コロナに感染すると重症化する可能性があるからです。4ヶ月も放置してるので、天パがぐんぐん伸びて右へ左へ暴れまくり。鏡を見るのも嫌になっちゃうくらいで、美容室に行けないことで、自己肯定感がさがりまくりです……。

お気に入りの美容室は、自宅から徒歩3分なんです。だから何度もお店の前で立ち止まっては、お店の方お元気かなとか、サラサラのストレートヘアの自分を妄想したりしています。コロナが収束したらなによりも先に美容室を予約すると決めています。1日もはやく再会できたらと、収束を祈っています」(東京・30代・女性)

 

「もう8年くらいお世話になっている美容師さんがいます。最初は会社の近くでたまたま担当してくれたのですが、その後独立してからもお世話になっています。自分の髪質を把握してカットしてくれ、毎日のセットが素人でも簡単に出来るし、何より長年のお付き合いで安心感があります。

いまの美容室は自宅からはある程度距離もあり、緊急事態宣言の間はなかなか伺う事ができないので、またいつも通り行けるようになりたいです」(東京・40代・女性)

 

 

高齢のご家族と同居しているために、いまは美容室も我慢しているという方もいらっしゃいます。

 

「私の行きつけの美容室は電車やバスを乗り継いで片道1時間半程かかります。5年くらい前に、親戚に教えてもらって行った美容室で担当して下さった方が技術もセンスも抜群に良かったので惚れ込んで、勤務先を3軒変わられましたが、ずっとその方を追いかけているんです。

でも、今回のコロナのことがあってから、もう4ヶ月近くサロンに行けていません。家に高齢の母親がいるので、感染防止のため外出を自粛しています。早くサロンに行けるようになりますように」(福岡・40代・女性)

 

 

子どもが住む東京に出てくるたびに美容室に行くのが楽しみだったという女性。自粛が進んでからは、我慢の日々が続いているそうです。

 

「3月初めに東京に行ったとき、とってもきれいにしていただきました。でも、感染者が多くなっている北海道から、今、自分が美容室にいくと美容師さんたちに迷惑をかけてしまうかもしれないという気持ちもあり、お邪魔するのがためらわれます。大事な人や大事な場所を思い遣って出掛けられないこともある……。今は辛抱と言い聞かせています。落ち着いたら真っ先に行きたいです」(北海道・70代・女性)

 

3時間以上かけて表参道の美容室に通っていたというお客さまも、いまは、ぐっと我慢しているとのこと。

 

「悩みがあるとき、現状を変えたいとき、私が真っ先に向かうのは美容室。美容師さんは私にとってホームドクターのような存在です。だから本当は今一番会いたいです。大変な毎日を過ごされていると思いますが、どうぞお体に気をつけて。またお会いできる日を楽しみにしています。嬉しくて泣いちゃうかもしれません!」(千葉・40代・女性)

 

今の美容師さんとは、60歳を超えてからのお付き合いだという女性からは、こんなコメントが。

 

「若い頃からずっとショートヘアでしたが、美容師さんが髪を大事そうにさわって下さる手の動きを見るのが好きで、今ではロングのグレイヘアになりました。今では、美容室に行く回数は少なくなってしまっている上に、今回のコロナ騒ぎで3月からお会いできていませんが、髪のケアだけでなく、心がほっとくつろげる場所として、人生の終わりまで通い続けたいと思っています」(福岡・70代・女性)

 

>髪を切ることは「不要」でも「不急」でもない

 

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