Voicyスペシャル対談 LECO代表 内田聡一郎×メディアアーティスト 市原えつこ (前編) 世の中を変える新技術と日本の風習を組み合わせたら世界が振り向いた

 

渋谷のヘアサロン「LECO」の代表、内田総一郎さんは音声メディアVoicy(ボイシー)で「soucutsの美容師ラジオ」という番組を運営しています。今回のゲストはメディアアーティストの市原えつこさん。触ると喘ぐ大根「セクハラインターフェイス」や現代の奇祭「仮想通貨奉納祭」などの作品で話題を集めてきました。そんなちょっと普通ではないメディアアーティストと内田さんの異業種対談を前編・後編に分けてお届けします。今回は前編です。

 


 

「日本の土着の信仰や文化と新しい技術をがっちゃんこしています」(市原)

 

 

内田:今回はメディアアーティストの市原えつこさんをお迎えしての対談となります。まず「市原えつこって誰やねん」っていうところから入っていいですか。メディアアーティストっていうエッジの効いた職業なので。

 

市原:「メディアアート」はいろんな解釈がありますが、ざっくり言うと最新テクノロジーを媒体としたアート表現です。自分の場合はAIやロボット、ブロックチェーンなどを使っています。技術が生まれると社会が変わっていくので、そういうところに着目して作品をつくっていますね。

 

内田:市原さんの作品にはどんなものがありますか。僕は「デジタルシャーマン・プロジェクト」は見たことがあります。

 

亡くなってから死後49日間だけその人の顔や声で会話ができる「デジタルシャーマン・プロジェクト」

 

市原:私はメディアアーティストの中でも珍種で、技術だけというよりは日本の信仰や土着の文化などが好きで、そういうものとテクノロジーをがっちゃんこしています。「デジタルシャーマン・プロジェクト」では、誰かが亡くなる前にその人の顔や声、仕草や癖などのデータをとっておいて、ソフトバンクの家庭用ロボットPepperに亡くなった人のデータをインストールするんです。そして、その方が亡くなってから死後49日間だけその人の顔や声で会話ができる。日本には亡くなった方の魂が49日間だけ地上にあるという考え方があるので、49日を過ぎたら成仏していくという……。

 

内田:なるほどね(笑)。

 

市原:最後はアプリケーションが止まってロボットも動かなくなります。

 

内田:そうか、そこまでがアートの表現なんですね。古来の伝統文化みたいなものと、デジタルを融合させたっていう意味で斬新なアイディアだったってことですよね。

 

市原:海外だと特にテクノロジーの面だけではなくて日本の死生観や考え方にギョッとされて、色々な国の人に驚かれました。

 

Digital Shaman Project / デジタルシャーマン・プロジェクト from Etsuko Ichihara on Vimeo.

「デジタルシャーマン・プロジェクト」動画

 

>「市原さんってどんなモチベーションで作品をつくるの?」(内田)

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