求められるのはフレキシブルな人

－美容師のほとんどは、来るお客さまをその場で初めて知ることの方が多いと思うんですが、その短い時間の中で信頼関係を築くためには何が大切でしょうか？

ちゃんとお客さまを見ることですね。私の場合、人見知りだし、美容室では雑誌を読みたいんです。なので、すごく話しかけてくる美容師が苦手なんですね。その美容師さんが明るいキャラで推していて、話が上手い人でも、それを相手が求めているのかどうか。Aさんに通用したからといって同じ接客法がBさんにも通用するわけではないですよね。

それってやっぱり相手の目を見て会話しないとわからないことで、「どんな雑誌を読まれますか？」「最近どんな髪型が気になりますか」と、最初の何分かでお客さまを把握して、そこから接客法を選ぶ。

携帯の充電が減っていることに気づいて「充電されますか？」とか、かゆいところに手が届くというか、そういうきめ細かなところを見てくれる人だと、また来たいなって思いますね。

－求められる人材とそうではない人材の違いは何だと思いますか？

求められる人はやっぱり柔軟性のあるフレキシブルな人。今はもうみんなSNSをやっている時代なので、そういったものも取り入れていたり、お客さまの個性を受け入れてくれる人だといいですね。

逆に時代についていけていない人は、その時代とともに終わってしまうんじゃないかなと思います。美容師ってそもそもトレンドの最先端にいるようなお仕事だと思うので、流行や今の話題に詳しくあってほしいですね。

生き残るカギは他分野研究

－今後支持され伸びていく美容師はどんな方だと思いますか？

研究熱心な人ですかね。特に他分野での研究が熱心な人。自分の技を磨くことももちろん大事なんですが、自分の主戦場以外での話題が豊富な人や器用な人が生き残っていくと思います。美容師って会う人全員がお客さまになりえる職業だと思うので、外に向かって循環ができる人は美容師としても伸びるんじゃないかなと思います。

いかがでしたか？　何気なく過ごしていた日々を打ち抜く言葉の数々、思わず背がしゃんと伸びてしまいますよね。また、理想のために今すべきこともたくさん見えてきたのではないでしょうか。そしてこのインタビューを読んで目標への意識が高まったなら、それはなりたい自分へと向かう確かな一歩になるはずです。

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プロフィール

ブロガー・作家
はあちゅう（伊藤春香・いとう はるか）

慶應義塾大学法学部政治学科卒。在学中にブログを使って、「クリスマスまでに彼氏をつくる」「世界一周をタダでする」などのプロジェクトを行い、女子大生カリスマブロガーと呼ばれる傍ら、レストラン、手帳、イベントをプロデュースするなど、「はあちゅう」名で幅広く活動。2009 年電通入社後、中部支社勤務を経て、クリエーティブ局コピーライターに。2011年12月に転職し、トレンダーズで美容サービス、動画サービスに関わる。2014年9月からフリーで活動中。催眠術師資格保有。『自分の強みをつくる』『恋愛炎上主義。』『半径5メートルの野望』など著書多数。

HP→http://ha-chu.blog.jp

（取材・文／阿部夕華　撮影／小林紗季）