MINX で次々とスターが生まれる理由。MINXの「母」、鈴木三枝子さんが残したDNAとは

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昨年の銀座店拡張に続き、今年9月には銀座二丁目店がオープン。原宿、青山、銀座のどの店舗も予約がぎっしりのMINX。その進化は、創立30周年を超え、さらに加速度を増しています。

なぜMINXでは、次から次へとスタープレイヤーが育っていくのでしょうか。

9月から銀座二丁目店の代表を勤める中野太郎さんと、MINXの母と呼ばれた故・鈴木三枝子さんにまつわる取材を1年半にわたって行い、書籍『道を継ぐ』を上梓したライターの佐藤友美さんが、MINXの教育について語ってくれました。

 


 

スタッフの成長は、教える人間のレベルで9割決まる

 

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佐藤 今回『道を継ぐ』の取材で、MINXのスタッフのみなさんにずいぶん話を聞かせていただいたのですが、そこで感じたのはMINXの圧倒的な層の厚さです。代表や店長クラスのメンバーがファミリー独立(MINXの応援をうけながら独立する)という形でサロンを離れたあとも、次々と、トップを張るスタッフが台頭してきますよね。

 

中野 そうですね。MINXはいまスタイリストだけで70人、アシスタントまで含めると200人近い組織なので、誰もが、どうやって自分がこの組織の中で存在感を出していけるか、目立てるかという自分プロデュースをしていると感じます。

年功序列ではなくて、実力があれば若くてもセミナーや撮影に抜擢するのがMINX流です。頑張ればできそうな子には、どんどん背伸びをさせる。みんないつ自分の番がまわってきてもいいように、と、自分なりに準備していると思いますよ。

 

佐藤 それが、MINXの層の厚さにつながっているように感じます。いま、セミナーで講師をする立場の人は、どれくらいいるんですか?

中野 スタイリストの3分の1くらいでしょうか。若い子が突然抜擢されたら、やっぱり最初は不安そうな顔をします。でも、撮影もセミナーも、上の人たちがやってきたことを見ているので、実際にやらせてみたらしっかりやれる子が多いですね。

 

佐藤 ひとつのサロンとは思えないほど、いろんなタイプのスタッフさんがいて、デザインテイストもジャンルもばらばらなのがMINXの特徴ですよね。

 

中野 それは本当にそう思います。いい意味で、まったく統一感がないんですよ(笑)。その人が得意なジャンルを伸ばしていってほしいと思うから、枠にはめようとはしないですね。

 

佐藤 『道を継ぐ』の書籍の中でも紹介したエピソードですが、お亡くなりになられた鈴木三枝子さんは、ご自身はエッジのきいたアバンギャルドな路線のデザインを作ってらっしゃいましたが、スタッフそれぞれの持ち味をよく評価されていたそうですね。コンサバヘアやモテ髪に関しても、そのジャンルで一流を目指しなさいと言ってらっしゃったとか。

 

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中野 そうなんです。MINXが大事にしている精神さえ全うできれば、表現の仕方は人それぞれでいいというのは、昔からですね。

 

佐藤 「MINXが大事にしている精神」というのは具体的には?

 

中野 「ヘアデザインを通して、お客さまの文化になる」という企業理念ですね。お客さまの人生に役立つ人間になる。それができるのであれば、ヘアスタイルのジャンルはどんなジャンルでもいいんです。それができる人間になるために、技術を磨き、人間性を磨きなさいというのが一貫した教えです。

 

佐藤 今回の取材で印象的だったのは、岡村さん(※MINX代表取締役社長)の、「スタッフの成長は、教える側のレベルで9割決まる」という言葉でした。MINXさんでは、技術を教える側への勉強会があるそうですね。

 

中野 そうなんです。毎月1回、教える側のチェックがあって「その伝え方では下の子に伝わらない」とか「その言葉遣いじゃ1年生には響かない」とか、技術はもちろんですが、その伝え方について細かくチェックしています。そこで合格しないと、教える立場になれないんです。

 

佐藤 教える側に厳しいチェックを設けているサロンは、ほかではあまり聞いたことがありません。『道を継ぐ』の中でも書きましたが、MINXはとにかく上の人たちが練習をされていますよね。営業後に取材に伺うことが多かったんですが、店長や代表クラスの人たちが、夜遅くまでウィッグを切ったり毛束を染めていたりするのを何度も見ました。

 

中野 それもやっぱり、僕ら自身が、上の先輩たちのそういった姿を見てきているからですね。

 

佐藤 「教える側」を育て続ける。その積み重ねが、いまのMINXが、お客さまにも美容業界の中でも圧倒的な支持を集めている理由だと感じました。

 

>ゆとり世代は、ゴールとプロセスを見せて育てていく

 

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