RITZ誕生から27年間、美容室経営のことばかり考えてきた -RITZ 金井豊さんの習慣 前編-

大切なのは美容業界の一歩先を予測すること

 

 

カリスマ美容師ブームが起こったとき、僕はこれからサービスの時代がやってくると思っていました。カリスマ美容師ブームは、技術の祭典のような側面がありました。盛り上がっていたのは、一般の人ではなく、美容師と美容師という仕事に興味がある人たちだったと思います。カリスマと呼ばれた美容師のもとには、セミナーの依頼が殺到しました。それまではカリスマの技術を味わうために全国からお客さまが集まっていましたが、セミナーなどを通じて全国に技術が普及していくと、わざわざ遠いところまで切りに行く必要がなくなります。技術で差がなくなってきたら、次はサービスで差がつくという風に考えていました。実際にそのような展開になったと思います。

 

これから先に起こることとして予想されるのは、消費税増税が美容室経営にとって大きなダメージになることです。価格を上げられないのであれば、利益を圧迫します。美容室経営は人件費の割合が高いから、原価を下げることも難しいです。仮に2019年の10月に増税するとしたら、2021年に納税することになります。景気がよければまだいいですが、そうでなかった場合は苦労する美容室が多いのではないでしょうか。だからこそ、顧客満足度を高めて単価を上げていくことが大事なのです。こんな風に僕はいつも経営のことを考えています。

 

プロフィール
RITZ
オーナー/金井 豊(かない ゆたか)

「スタジオV」勤務を経て、1992年に「RITZ」をオープン。サロンワークとともにヘアメイクアーティストとしてファッション誌、CM、広告等で活躍。現在はセミナーや講演なども行う、美容業界のオピニオンリーダーの一人。

 

(文/外山  武史  撮影/菊池 麻美)

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