AFLOATで11年。銀座で売れるだけじゃ終わらない。“顔まわりの職人”水野涼太が武蔵小杉へ。MIRI by AFLOAT始動「全世代に愛されるサロン」をつくる

強豪サロンAFLOAT(アフロート)に入社し、11年。スタイリストデビュー後、約2年間の売上低迷で、苦しんだ時期もありました。続々とスター街道を登っていく後輩たちを尻目に、焦りを感じていたことも。ここに登場する水野涼太(みずのりょうた)さんは、いわゆる遅咲き組。ようやくトップスタイリストの座についたのは、美容師7年目の時でした。
SNSに本気で向き合い、「ミリ単位までこだわる顔まわり」が水野さんの強み。そんな水野さんが新たな挑戦の地に選んだのは、急成長を続ける街・武蔵小杉です。2026年4月、MIRI by AFLOAT(ミリバイアフロート)をオープン。武蔵小杉にトレンドサロンをつくりたい――。AFLOATのDNAを受け継ぎながら、新しい地域美容の形を描く挑戦が始まります。
「同期に置いていかれる感覚」がずっとあった
——AFLOATに入社して、スタイリストデビューまでは長かったそうですね。
そうですね。アシスタント期間は4年3カ月です。新卒で入社し、5年目にデビューしました。今のAFLOATは、早い人だと1年半〜2年くらいでデビューするんですが、当時のAFLOATでは4年ほどが一般的。だから特別遅いわけではありませんが、同期が先にデビューして売れていく中で、「やばいな」という焦りは常にありました。

——アシスタント時代、最も叩き込まれたのは何でしたか?
技術全般はもちろんですが、特に「前髪」と「ブロー」は徹底的に教え込まれました。AFLOATって、本当にブローが厳しかったんですよ。前髪ブローなんて特に。アシスタントがブローして、最後に先輩がチェックするんですけど、もう普通に直されます(笑)。「終わった」と思ったら、全部やり直しです。でも今になって、意味が分かるんです。前髪って、お客さまにとって“顔の一部”なんですよね。1ミリ違うだけで印象が変わるし、その日の気分も変わる。お客さまが鏡を見た瞬間に気分が上がるかどうかって、実は顔まわりがすごく大きい。
だから今、僕自身もアシスタントの前髪ブローは直します。AFLOATで培ってきた「そこまでこだわる」という価値観を伝えたいので。お客さまに本気で向き合うなら、顔まわりは絶対に妥協しちゃいけないと思っています。

厳しかった時代。でも「辛い」とは思わなかった
——アシスタント時代は、どんな思い出がありますか?
とにかく厳しかったですね(笑)。朝は先輩が来る前に店に立っていて、最後は閉店まで残る。店舗の鍵を持たせてもらえるまで半年かかりました。でも、不思議と「辛い」と思ったことはないんですよ。忙しい営業の方が好きだったし、暇な営業の方がむしろ嫌でした。
お客さまがどんどん来店されて、自分はブローに入り、直されて、また次へ。その繰り返しでした。ゲームに近い感覚でしたね。「今日は先輩にブローを直されずに終われるかな」とか、「お客さまに喜んでもらえるかな」とか。常に目の前に越えなければならないハードルがあって、無我夢中でした。
仕事が終わってからは、同期や先輩たちとミーティングしたりもしていました。休む暇もないくらい慌ただしい毎日でしたが、しんどいことも含めて全部楽しかった思い出です。忙しいからこそ、みんなで励まし合っていたし、「みんなで力を合わせて頑張ろう」っていう空気でしたね。

>デビュー後、売上は月20〜30万円。“売れない時代”が続いた