フリーランス美容師の確定申告実践講座。基本の流れやお得なポイントを、税理士さんに聞きました

 

2月18日(月)から、いよいよ確定申告の時期がはじまります。フリーランスとして働く美容師なら避けて通れない確定申告ですが、慣れないうちは「なんだか難しそう…」と、ついつい後回しにしてしまう人もいるかもしれません。しかし、そうして期限を過ぎてしまうと、ペナルティとして通常よりも多く税金を支払わなければいけないケースも!?

 

そうならないために、今回は萩原健志税理士事務所の代表・萩原健志さんに、フリーランス美容師の確定申告について教えてもらいました。スムーズに進めるためのポイントなど、実践的な内容を紹介しているので、確定申告に取り掛かる前にぜひチェックしてみてくださいね。

 


 

フリーランス美容師なら、確定申告は「必須」。

 

 

確定申告とは、会社に雇用されていないフリーランスが、自分で所得を計算して税金を納めること。社員として雇用されている場合は、会社が納税してくれますが、フリーランスは会社が代わりに税金を納めてくれません。そのため、自分で所得と税金を計算し、申告から納税までをする必要があるのです。

※所得:税金を計算する基礎となる金額のこと。所得には配当所得や、給与所得、事業所得、雑所得など10種類あり、区分によって計算方法が異なる。

 

しかし、確定申告の必要性をわかっていない美容師さんも意外といると萩原さんは言います。

 

「納めるべき税金があるのに確定申告をしないということは、いわゆる『脱税』と呼ばれます。期限を過ぎてしまうと罰則として『無申告加算税』や『延滞税』といった税金を支払わなければいけない可能性もあります。そのため、『わからないから』と言って諦めず、きちんと期限内に申告をすることが大切です。

 

また、平成29 年度の税制改正によって、平成30年分から所得控除の一つである『配偶者特別控除』の受けられる枠が拡大されました。ただし、所得が1,000万円を超える人は控除が適用外となるため注意が必要です。

※控除:一定額が差し引かれること。

※所得控除:支払う税金を計算する前に、所得から差し引くことができる金額のこと。

※配偶者控除・配偶者特別控除:配偶者(妻または夫)がいるときに、所得から一定額を控除できる所得控除の一つ。

 

例えば妻の年収が103万円以下の場合、夫は「配偶者控除」として38万円の所得控除を受けることができ、103万円を超えた場合も妻の所得に応じて「配偶者特別控除」が受けられます。

 

この改正は今年から適用されるため、前年は控除できなかったけれど、今年はできる可能性があります。可能性のある人は、国税庁のホームページや、会計ソフトなどを使って確認するようにしてください」(萩原さん)

 

確定申告で必要な申告書は、国税庁のホームページから無料でダウンロードできます。また確定申告には、申告書以外にも必要な証明書等があるため、事前に書類を準備しておくことも必要です。国税庁のホームページでは、確定申告の流れと各手順に必要な書類を公開しています。サイトを確認しながら、自分に必要な書類を確認してみてくださいね。

>>確定申告の流れはこちら

 

確定申告初心者のあるあるミス2つ! 経費に含めてもいいのはどこまで?

 

 

次に確定申告する人にありがちなミスを教えていただきました! 税金計算を間違える可能性もあるので、はじめて申告する人はまず以下の2つに注意してみましょう。

 

1. 「報酬」と「給与」を混同し、税額計算を間違う

 

「確定申告に慣れていない人は報酬と給与を混同しがちです。給料は給与所得、報酬は事業所得または雑所得に区分され、所得税の計算方法が違います。この違いを理解していないと、税金の計算も間違えてしまいます。

 

フリーランス美容師の場合、所得の大半は『報酬』に当たります。面貸しの美容室でお客さまの髪を切ったり、商品販売で得た収入などです。

 

一方で「給与」となる可能性があるのは、就業時間外に他の店舗で働いて得た報酬とは別に、従業員としてサロンの仕事をしていた場合です。『給与』はサロン側に源泉徴収義務があるため、支給される金額が額面通りではなく、所得税が引かれている場合があります。また、給与の場合は、サロン側から年末に『給与の源泉徴収票』をもらえるはずです」(萩原さん)

※源泉徴収:仕事を依頼した側が、給与を支払う際に、金額から事前に所得税などを差し引いて支払うこと。

※給与の源泉徴収票:一年分の給与所得と所得税を証明する書類で、確定申告書の作成に必要。

 

2. プライベートで使ったお金も経費にしてしまう

 

「経費として認められるのは事業に必要なものに限られます。生活費やプライベートな遊びに使った遊興費、自分や家族の飲食代は経費にはなりません。

 

フリーランス美容師の場合、経費になるのは、面貸料、道具代、交通費、材料費、お客さまや取引先と飲食した際の交際費などが考えられます。仕事とプライベートの両方で着る洋服を買った場合も、衣装代として何割かを経費にすることができます。同じように、スマホもプライベートと兼用している場合は、一部を通信費として経費にすることが可能です」(萩原さん)

 

>確定申告をスムーズに進める3つのポイント! まずは基本の流れを解説!

 

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