macaroni coast中澤保人さんのびよう道 〜「木を見て森を見ず」ではつまらない。ヘア、モデル、メイク、服、空間…全てが調和し、相乗効果を生み出す世界をつくる〜

プロデュースしたSEE/SAWが「美容師が選ぶシャンプーNo.1」に

 

 

アパレルブランドのプロデュースで培ったノウハウを活かして、シャンプーなどのプロダクトのプロデュースにも取り組んでいます。例えば、ヘアケアブランド「SEE/SAW(ルベル)」は、中身もそうですが、パッケージやブランドブックも、私がプロデュースしています。髪だけではなく、トータルで表現しました。ファッションスタイリストに飯田珠緒さん、フォトグラファーに中村和孝さんという超一流に入っていただいています。聞くところによると、SEE/SAWは美容師がぶ本当にオススメするシャンプーでNo.1に選ばれたそうで、とても光栄でした。

 

僕はお話ししてきた通り、全体像をプロデュースすることにこだわりがあります。個人的に感じているのは、木を見て森を見ずではないけれど、カラーやツヤなど、細部にフォーカスした議論が多いこと。それも大切なことではあります。でも、ファッションの世界で言えば、「この生地の色いいね」と言っているのと似ている気がします。本来は美容においても、ヘアスタイルの全体バランスがあり、お客さまのお顔やファッションともリンクするので、トータルでつくる意識が欠かせないと思うんです。

 

年を重ねて洗練されていく表現者を目指したい

 

 

まだまだやれることがあると感じているので、自分が一人前になったとは思っていません。ただ、SEE/SAWをディレクションさせていただいて、製品内容もですが、ビジュアルイメージも自分がやりたいことをやり切ることができたりし、その反響から手応えを感じられました。ブランドブックなども限界ギリギリまで自分がプロデュースしたいものにするために、挑戦してつくっています。

 

一方で、何か一つやり遂げられたかなと思う瞬間があったとしても、次第に感覚は衰えるものだとも思っています。自分の中でも研ぎ澄まされる感覚と衰えがせめぎ合いをしている。

 

 

自分の感覚のピークはいつなんだろうか、とふと思うことがあるんです。建築関係、アパレル関係では60代、70代でも、感性を発揮している人がいます。むしろ、生み出すものの「裏付け」が強固になって、よりかっこよくなっていることもある。

 

僕自身も、年を重ねてより洗練されていく表現者でありたいです。全体をプロデュースするという点では、昔よりは見えてきたものがあるかな、と思っています。

 

プロフィール
macaroni coast

President/中澤保人

SHIMAを経てDaBのオープニングメンバーとして参加し、株式会社ダブの取締役、Creative Director を経て、2010年 macaroni coast を立ち上げる。サロンワークを中心に、多方面で活躍。2012年JHAゲスト審査員賞受賞。2012年からメンズアパレルブランド「Patchy Cake Eater」 のディレクターもつとめた。美容はもちろん、ファッションの見識も高い。

http://www.macaronicoast.com/

 

(文/外山武史 撮影/菊池麻美)

 

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