びよう道 vol.2 DaB・八木岡聡さん 〜大切なのは、自分しかできないことを探し続けること〜

「スタイリスト」ではなく「デザイナー」を目指そう

 

 

これからの美容業界をつくる若い人たちに伝えたいのは、「ヘアデザイナーになろう」ということです。ヘアデザイナーという名前を使ったのはDaBが最初。それまで、ヘアスタイリストやヘアアーティストという名称はあったけれど、どれもしっくりこなかった。

 

あくまでこれは僕の考えですが、ヘアスタイリストは決められたカタチを技術で実現していく職人的な仕事であり、デザインのイニシアチブを持っているのはお客さまというイメージがあります。ヘアアーティストになると、イニシアチブはアーティストにあるけれど、お客さまがそっちのけになってしまうような気がして、僕がやりたいことと違いました。

 

一方で、ヘアデザイナーは、自分がイニシアチブをもってお客さまがより輝くヘアデザインを提供する仕事です。お客さまのオーダーに応えるだけなら、どんなによくても100点止まりで感動を与えることはできません。なぜなら、お客さまの好みを再現しているだけだからです。でも、ヘアデザイナーはお客さまの期待を超えるデザインを提供して、感動させることができる。そこを目指してほしいのです。

 

たとえば、20歳のお客さまの場合、ファッションを意識するようになってせいぜい5年とかそのくらいですよね。それなりの情報と体験しかもっていない。けれど、若さという魅力があるし、一番刺激を受けて自分をつくる力を持っていると思います。そんなお客さまが、デザイン性の高いショートや、明るいヘアーなどさまざまな体験をすれば、人生をより豊かに生きられると思うんです。

 

「あのヘアデザイナーさんのおかげで、オーディションに受かった」とか「新しい髪型にしたら彼氏ができた」とか、髪をデザインすることで、幸せがつながっていくこともたくさんある。お伊勢参りじゃないけれども、僕が髪を切ると縁起がいいからといって、「八木岡参り」にくるお客さまもいるんですよ(笑)。ぜひ、みなさんもお客さまの人生が変わるきっかけをつくり、幸せになっていく様子を見届けられるヘアデザイナーになってほしいです。

 

 

プロフィール
株式会社ビタミンズ
代表取締役/DaB代表/八木岡聡(やぎおか さとし)

神奈川県出身。山野美容専門学校卒業。SHIMAにて、ヘアデザイナー、ディレクターとして活躍。'89年渡米、’93年渡仏。'95年にDaB daikanyama hair salonを開設 '97年にDaB MIX hair salonを開設。'98年にDaB design officeを設立。'99年にDaB omotesando hair salonを開設。ヘアデザイナーとしてサロンワークを中心に活動し、インテリア及びインダストリアルデザイナーとして器具のプランニングやデザインを手掛ける。また、化粧品の開発、ディレクション等にも従事。近著に自身のヘアデザインの思考を追った『HAIR DESIGEN 7×7デザインの方程式』がある。

http://www.kamishobo.co.jp/archives/book/hair-desing-7x7

 

(取材・文/外山  武史 撮影/泉山美代子)

 

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