びよう道 vol.7  Of HAIR古里オサムさん 〜心の底から美容師を楽しむためには、「突き詰める時間」が必要だ〜

自分に厳しければ厳しいほど、いい美容師になれる

 

 

時代の変化が早いし、新しい技術も出てくるから、今の美容師さんはずっと勉強し続けないといけないですね。若いときはそれこそがむしゃらに勉強する時期があっていいと思います。でも歳を重ねても同じです。体がどんどん老化していくので、より一層、トレーニングしたほうがいい。

 

勉強するのは大変だ、と思っている人は、現実の自分と違う自分を頭の中でもう一人つくってみてください。その自分は少し、厳しいというのかな。練習を切り上げるときに「それで本当に上手になるのか?」と問いかけてくれる。「このスタイルは難しくてできない」と思ったときに「自分のレベルが低いだけじゃないのか?」と叱ってくれる。そういう自分をつくるといいかもしれない。「難しい」は便利な言葉で、自分が至らないことを、ほかの何かのせいにしてしまいます。実力不足という本当の答えを、どこかに隠してしまうのです。だから、「難しい」は言わないほうがいいです。失敗したら、「難しかった」という言葉で片づけるのではなく、素直に失敗を認める。そうして、本当の原因を突き止めることが、成長につながると思います。自分に厳しければ厳しいほど、いい美容師さんになります。トマトだって、あえてストレスを与えたほうが、甘くておいしくなるんです。

 

自分に厳しくすることが大事なんだけれど、仕事は楽しんでほしいですね。そもそも僕は、美容師を仕事だと思ったことはありません。趣味とか人生そのものとか、そういう感じ。でもね、そういう考えにたどり着くためには、「突き詰める時間」が必要なんです。どこかでそういう時間を費やすことが、美容師人生のターニングポイントになると思います。では、どうぞみなさん、美容師を楽しんでください。

 

 

プロフィール
Of HAIR
代表/古里 オサム(ふるさと おさむ)

オブヘアー、オブ・コスメティックス代表。ヘアにとどまらず、自ら撮影した作品を元に、グラフィックデザイン、パッケージデザイン、コピーライティング、空間デザインなど多くの作品を発表。人との繋がりを大切な財産と捉え、サロンワークにこだわり、セミナー、ヘアショー、撮影、化粧品開発など多岐にわたり活動する。ジャパンヘアドレッシングアワードなど多くのコンテストの審査員を歴任。『アカデミー オブヘアー』主宰。美容師のためのバイブルと称される書籍 『伝・Den』など、出版も多数。Instagram/@furusatoosamu

 

 

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