びよう道 vol.4 LIM総括ディレクターカンタロウさん 〜修業が終わったと思った瞬間、また次の修業がはじまる〜

 

美容室でも待遇や休日が大切と言われる時代。もちろんそれも大切ですが、美容人生のどこかでは“心も体も美容でいっぱい”という時期があってもよいかもしれません。

 

「びよう道(みち)」は、そんな地道で壮大な鍛錬の道を歩んできた“美容の哲人”に、修業時代に一人前になったと思った瞬間や美容の哲学など、それぞれの美容の道を語っていただく連載企画です。

 

第4回目は、東京、ロンドン、シンガポール、香港など、文字通り世界を股にかけて活躍しているLIM統括ディレクター、カンタロウさんにご自身の修業観について、大いに語っていただきました。

 


 

カンタロウがブランドになって、ようやく一人前になれた

 

 

これまでを振り返ってみると、自分がいっぱしの美容師になったと勘違いしていた時期があったなって思います。たとえば、メーカー様から指名されてセミナー講習などのお仕事をいただいたり、雑誌の誌面を任されたりすると、自分に仕事がきたような感じがするけれど、時間が経つと「これって結局、会社の力だよな」と気づかされるわけです。

 

本当の意味で、美容師として一人前になったと感じられるようになったのは、1年間コンスタントに、月300人くらいの指名のお客さまがくるようになってから。LIMブランドへの信用もあったと思いますが、それでも自分を支持してくれる人が大勢いることが美容師としての自信になりました。

 

人として一人前になったと感じられるようになったのは、ここ数年ですね。5年前にLIMから独立して、個人事業主になりました。LIMとは企業間契約を結んで、統括ディレクターとして海外出店の推進やコンサルティングなどをしています。その中でLIMの社長から「お前にはLIMのブランドに守られるのではなく、カンタロウというブランドを前面に出して、LIMを引っ張ってほしい」というコメントをいただいたとき、自分も一人の人間として認められたと実感しましたね。

 

 

ついこの間、世田谷区の公立小学校からの依頼で、「働くとは何か」という話をしてきました。僕はタトゥーが入っているし、見ての通りの姿だから、「刺青だらけで隠せないですけれどいいですか?」と聞くと、「カンタロウさんの生き方を聞きたいので、そのままできてください」と言われたんです。いろんな人間のジャンルとか、いろんな世界観があるなかで、カンタロウはそのままでいいと認めてもらったことも、自信になりました。

 

>とにかく美容に夢中で、修業が苦しいと思ったことはなかった

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