40代、家族とともに未知の世界へ。岩屋真さんがアムステルダムで始めた新たな挑戦
日本で培ったものを、世界へ

2026年10月LIVE FASHION HAIR AWARDSにおいて、2度目のCreative Colourist of the Yearに輝いた
―今後はどんな活動に力をいれていきたいですか?
こちらのエデュケーターを見ていると、教育者でありながらアーティストとして活動している人が多いんです。僕も同様に、アーティストとしての顔はちゃんと持っていたい。これまでコンテストやアワードを獲ってきたことも、もっときちんとアピールしていかないといけないし、それを取ったら終わりではなく、追求し続けることもセットだと思っています。
その分、これからサロンワークの日数は減っていくかもしれないですが、今のステージだからこそ生み出せる価値もあるはずです。それが教育だったり、アートワークだったり。これからは、そういう活動の比率が少しずつ増えていくんじゃないかな。
そして、各国をエデュケーターとして回りながら、現地の教育やコミュニティにもコミットしていきたい。僕は経営者にはならないと決めているんです。これからはエデュケーターとして、アーティストとしてできることを追求していくつもりです。また、GHCで得た学びを、今働いているAssortにも還元していきたいと思っています。カラーの教育やクリエイティブワークなど、自分が世界で経験したことをサロンに持ち帰る。そういう循環もつくっていきたいですね。
―これから海外に出てみたい、海外の美容に興味がある美容師さんに伝えたいことはありますか?
まだ僕も生活の基盤を整えている途中で、落ち着いていないところもあります。日本円が湯水のように消えていくし(笑)。日本にいたときは、食べたいものを食べて、お金に困らない生活をしていました。でも今は、久しぶりに「口座にお金がこんなにないぞ」という経験をしています。それでも、この年齢で、6人家族でやれているし、幸福度は高いんですよね。だから、やってみればできないことはないんだな、というのが実感です。
海外でやってみたいと思うなら、まず動いてみることだと思います。行動なきところに変化なし、ですから。

もちろん、海外に行くことが正解だとは思っていません。日本でやっていくと決めている人は、そこで頑張ればいい。僕自身も、日本でずっとやってきたからこそ、今があると思っています。
ただ、外に出てみて初めて気づいたこともあります。思っていた以上に、日本って評価されているんですよね。こちらのお客さまもそうですし、「日本に行くことが夢」という人もたくさんいる。東京に行ってみたい、日本に行ってみたいという人が本当に多いんです。
GHCのエデュケーターと話していても、東京でやってきた僕の意見や感性を求められることがあります。そこで初めて、「自分が日本でやってきたことにも、こういう価値があるんだ」と気づかされることがある。

Assort Amsterdam
日本にいると、どうしても「世界のほうがすごい」と感じてしまうことがあると思うんです。でも、実際に外に出てみないと、自分たちが持っているものの価値には気づけない。
今は世界のエデュケーションに関わる一方で、お客さまがゼロの状態からアムステルダムでサロンワークに奮闘中。ある意味、サバイバルですよ(笑)。でも、それがすごく楽しいんです。何もないところから自分で道を切り開いていく。まさに、こういう挑戦がしたかったんだと思います。
プロフィール

Assortカラーリスト
岩屋 真(いわや・まこと)さん
デザインカラーがブームとなる以前から、“はさみを持たないカラー専門美容師”として活躍。カラー技術すべてを得意分野とする超特化型プレイヤー。2021年に17年間所属したTONI&GUYを卒業し、2022年に共同代表2名とともに表参道に『NOOS』をオープン。国内外でセミナー講師としても活動し、2024年には世界的コンテスト「LIVE FASHION HAIR AWARDS」にて日本人初の「Creative Colourist of the Year」を受賞。2026年1月よりAssortに移籍、4月にオランダ・アムステルダムへ移住し、Assort amsterdamに在籍。2026年8月Global Hair CollectiveのGlobal Educator・Head of Experimental Colourとして活動を開始。グローバルエデュケーションに尽力。
Instagram:@makoto_assort
(文/池谷美歩 写真提供/岩屋真)