40代、家族とともに未知の世界へ。岩屋真さんがアムステルダムで始めた新たな挑戦

 

デザインカラーが注目される以前から、カラーを追求してきた岩屋真(いわやまこと)さん。17年間在籍したTONI&GUYを経て、2022年表参道にてNOOSを立ち上げ、国内外でのセミナー、コンテストへの挑戦など、カラーリストとしてキャリアを積み重ねてきました。

2026年1月にAssortに移籍、4月には家族と共にオランダ・アムステルダムへ移住し、Assort Amsterdam(アソートアムステルダム)でサロンワークをスタート。さらに、世界各地のエデュケーターが集まるGlobal Hair Collective(グローバルヘアコレクティブ)では、Global Educator(グローバルエデュケーター)・Head of Experimental Colour(ヘッドオブエクスペリメンタルカラー)として世界的な美容教育への挑戦を始めました。

日本を離れたことで見えてきた、日本の美容や自分自身が培ってきたものの価値とは。新たな環境でのサロンワークと世界規模の教育に挑む、岩屋さんの現在地を聞きました。

 


 

アムステルダムで始めた、ゼロからのサロンワーク

 

 

―アムステルダムに移住されて半年ほどですが、どんな美容師生活を送っていますか?

 

今は定休にしている火曜と日曜以外は10時から19時までフルでサロンワークをしています。SNSを見てきてくださるお客さまもいますし、Assortはサロンでしっかり集客をしているので、新規のお客さまに入って、徐々にリピートを増やしていっているところです。お客さまは地元の方が多いですが、ドイツやベルギー、ポーランドなどからも来ます。人種も年齢も多種多様ですね。

 

―日本との違いを感じることはありますか?

 

基本やることは変わりません。でも、改めて実感したのは、日本人の美容師がやっている当たり前のことがすごく喜んでもらえることです。シャンプーやマッサージのクオリティはもちろん、例えば、薬剤が肌につかないようにイヤーキャップをつけるといった細かな配慮も、そのひとつです。それと、ブローの重要性は想像以上でした。こちらは毎日シャンプーする習慣がなくて、サロンにシャンプーブローだけしに来るお客さまもたくさんいるんです。日本のようにアイロンワークで仕上げることはほとんどなくて、ブロー仕上げが基本なんですよね。また、日本だと特定の技術に特化した美容師も多いですが、こちらだと幅広い技術に対応できないとお客さまを掴めないなと思います。

 

 

―日本との違いで困ったことは?

 

人種がいろいろで、髪質も違うし、来店スパンも5カ月くらい空くことが珍しくありません。その間にセルフカラーをしている方もいて、複雑履歴の人も多いです。そうした髪の状態や可能性などをきちんと英語で伝えるというところが最初のハードルですね。

あとは単純に、理想の仕上がりに近づけるため、一人ひとりの髪の状態に合わせていろいろなアプローチを考える必要があります。そんな試行錯誤も含めて、楽しんでいます。

 

ともに移住して美容師として活躍する奥様Akikoさんと

 

―生活面や国民性で違いを感じることは?

 

周りと同じにしなきゃいけないという感覚が全然なくて、それは楽ですね。あとはみんな余裕があって、目が合えば知らない人でも挨拶するし、電車とかでも譲り合いは普通のこと。みんな人生を楽しむためにどうするかを考えて生きていて、無理やストレスがないんですよね。

アムステルダムは他のヨーロッパに比べて交通機関もしっかりしているので、遅延やストライキで運行が止まることはたまにありますが、それほど困ることはないですね。道路もバス、自動車、自転車、歩行者、それぞれの専用道路があるので渋滞とかもあまりないですし。

 

 

物価は日本より高い感じはしますけど、収入のベースも高いので、こちらで生活の基盤ができれば問題ないのかなと思います。

自分の気質と国民性が合ってるのかな。たまに日本食が食べたくなるぐらいでホームシックには全然ならないです。あとは冬が寒くてずっと曇天らしいので、そこが心配なぐらいですね。

 

現地の朝ごはん

 

―アムステルダムでの生活を通して、美容師としての仕事や考えに変化はありましたか?

 

美容師としてのベースや、やるべきことは変わりません。ただ、いろいろな国の美容師さんと交流が増える中で、優先順位には変化がありました。みんな家族と過ごすから週末は仕事をしないし、スマホも見ないのが当たり前。日本だと「こっちは仕事しているのに、何で休んでるんだ」って思いがちじゃないですか。アムステルダムでは、「家族と過ごしてたから、返信できなかったよ」ということが当たり前なので、自分としても暮らしやすいですね。

あとは美容師としてステージが変わったので、より広い視野で物事を見れるし、新たな目標もできました。今まで蒔いてきた種が実ってきているのを感じています。

 

>世界に出て、自分の価値を確かめる

 

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