42歳、ケンシンの遅咲き逆転劇。技術を底上げしてカット料金6倍アップ。大阪で3店舗を経営するプレイングオーナー佐藤見真の人生好転ストーリー
現在、大阪・梅田に2店舗、箕面に1店舗を展開する『LIV OSAKA(リヴ オオサカ)』代表の佐藤見真(さとうけんしん)さんは、36歳で美容師人生を大きく好転させた遅咲き美容師の一人。売上も上がらず、なあなあの美容師人生を過ごしていたという佐藤さんは、ある人から受けた一言が心に刺さり、そこから本領を発揮して今のポジションにたどり着きました。目標や目指す美容師像もなく、ただ毎日の仕事をこなすだけの日々を過ごしていた佐藤さんが、本気を出したことでモノの見方も変わり、周囲への感謝の気持ちも芽生えたと言います。そんな佐藤さんの、リアルな逆転劇を取材しました。
美容師として生き残るには、何をしたら?
――佐藤さんは36歳で美容師魂に火がついたということですが、そもそも、なぜ美容師に?
美容師になればモテるかも、という不純な動機でした(笑)。僕が最初に勤めたのは大阪の地域密着店で、そこには6年いました。接客が得意というわけでもなく、売上も全然上がらない美容師でしたね。そのあとは業務委託サロンに移って、10年ほど働きました。カット料金は2200円。お客さまはたくさん来ましたけど、数をこなさないと売上が伸びないシステムだったので、月100万を目指して時間勝負で働いていた感じです。
――業務委託サロンで働いていた頃、将来の不安はありましたか?
それが、何も考えていなかったんですよ。低単価の仕事を、黙々とただひたすらこなす毎日でした。そんなとき、会社からの辞令を受けたんです。業務委託サロンがら別店舗へ異動になり、さらにそこの店舗の教育を任されて。そのタイミングで、社長から「自分の武器を持たないと、これからは生き残られへん」と言われて、初めてスイッチが入りました。年齢も年齢でしたし、意識がそこでガラッと変わったんです。自分が美容師として生き残るために、まず何からやろうか?と考えて。ショートスタイルに特化してSNSを頑張ろうと。
――そこでSNSをスタートしたんですね。ショートの技術は、独学ですか?
ほとんど独学です。インスタでいろんなショートが少しずつ投稿され始めていた時代だったので、それぞれのスタイルを見ながら練習しましたね。毎日ショートの投稿をチェックして、「お客さまはなぜこのスタイルに憧れるんだろう?」とか、「この美容師に切ってほしいと思うポイントはどこなんだろう」とか、そんな目線で見ていました。サロンワークでも、積極的にショートを切って、自分なりの切り方をしっかり見つけることができてからは、自信もつきましたね。
当時の大阪で、ショートの投稿で注目されていたのが一星くん(VIEW代表)でした。たまたま友達が同じサロンで働いていたので、彼と話してみたくて会いに行ったことがあって。そこでSNSや売上、教育の話などをさせてもらって、すごくいい刺激を受けたんです。自分も頑張ろうって思いましたね。もし今、「奮起して人生を変えたいな」と思っている人がいたら、売上を上げている人や頑張っている人の話を聞きに行くのは、すごくおすすめです。僕は東京の美容師さんともSNSで交流して、いろんなアドバイスをもらってインスタに取り組んでいました。人との繋がりが、美容師人生を変える鍵になるなって思います。