代官山の女性サロン経営者・丸岡奈央。ショートを武器に大人顧客から厚い信頼を集め、長年第一線で走り続ける。その原動力は「自分らしさ」と「育てる責任」

 

 “言葉に頼らない”信頼の築き方

 

 

――お客さまからの評価を高めていった過程についても教えてください。

 

コミュニケーションが得意なタイプではないので、その分、技術と仕事への向き合い方で信頼していただくことを大切にしていました。特にカットにはこだわりがあり、見た目の美しさだけでなく、手触りのなめらかさや扱いやすさ、時間が経っても崩れにくい持ちのよさまで、自分が実際にショートで過ごしてきたからこそ気づける部分を大事にしていました。

 

同時に、自分で一眼レフカメラを購入して、衣装も用意して、集客サイトに掲載するための作品撮りも始めました。そこでショートヘアのスタイル写真を見て来てくださる新規のお客さまが少しずつ増えていって、“評価され始めている”という実感が持てるようになっていきました。




 

――ショートへシフトした戦略が、しっかり結果につながったんですね。

 

だいたい2年くらいで売上は300万円まで伸びました。ショートのお客さまが圧倒的に増えて、リピートしてくださる方も増えていきました。それ以降は、10年間ずっとサロン内で売上トップを維持しています。

 

施術中は、どちらかというと積極的に会話をするタイプではありません。カウンセリングはしっかり行いますが、プライベートな話に深く入っていくことはあまりなくて。実は、お客さまのご職業やお住まいを知らないまま、長く担当させていただいていることも多いんです。

 

その代わりに大事にしているのが、仕上がった瞬間の完成度だけではなくて、日常に戻った後もストレスなく過ごせるかどうか。そこを一番に考えています。一度ほかのサロンに行かれた方が、また戻ってきてくださることもありますし、長く通ってくださる方が本当に多いです。ご家族で来てくださる方もいらっしゃいます。

 

だからこそ、お客さまの空気感や好みをしっかり感じ取って、言葉では表現しきれないご要望までヘアスタイルで応えていく。その積み重ねが、信頼関係につながっているのかなと感じています。




 

――その丁寧な積み重ねが、長く愛され続ける理由なんですね。

 

以前はオーナーから「長く通ってくださるお客さまを増やしなさい」と言われても、その意味を十分に理解できていなかったと思います。当時はどちらかというと、「もっと多くのお客さまを担当したい」という気持ちの方が強かったんです。

 

でも今になって、その言葉の本質がよく分かります。現在はほとんど既存のお客さまで予約が埋まり、施術もスムーズに進みますし、信頼関係が築けている分、余計なストレスもありません。とても良いコンディションで仕事に向き合えていると感じています。

 



>美容師は“仕事”ではなく“人生”

 

 

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