代官山の女性サロン経営者・丸岡奈央。ショートを武器に大人顧客から厚い信頼を集め、長年第一線で走り続ける。その原動力は「自分らしさ」と「育てる責任」

 

美容師は“仕事”ではなく“人生”




 

――サロンの経営者になることは、以前から目指していたんですか?

 

はい。いつかは自分のお店を持ちたいとは思っていました。これまでの経験やお客さまとの関係性、スタッフとの向き合い方を振り返ったときに、“自分で選んで、自分で責任を持つフェーズに来ている”と感じるようになって。ただ、具体的に動き出していたわけではなかったんです。

 

そんなときにオーナーから『経営を任せたい』と声をかけていただいて。私自身もこのサロンを引き継いでいきたいという気持ちがあったので、昨年から代表取締役という立場になりました。現在は代官山で3店舗を展開しています。若手が中心となって成長していく『GREEN middle』、大人世代のお客さまとしっかり向き合う『GROW middle』、そしてライフステージに合わせて時短勤務など柔軟な働き方をしているスタッフが在籍する『juurii』です。私は『GREEN』と『GROW』の2店舗の現場を行き来しています。

 

もともと店舗数を増やしたかったというよりは、席数が埋まってきたタイミングで、スタッフの活躍の場を広げたいという思いから、今の形になりました。それぞれコンセプトを分けて、働き方や客層も分けています。


 

 

――経営者として意識していることは?

 

後輩育成に対する考え方も、これまでとは大きく変わってきました。自分が歩んできた時代と今とでは環境も価値観も異なるため、自分の基準やレールに当てはめるべきではないと感じています。後輩の行動や発言には必ず背景や理由があるはず。だからこそ、それを良し悪しで判断する前に、まずはしっかりと耳を傾け、一人ひとりの考え方や価値観を理解することを大切にしています。

 

具体的には、サロンワークにおける服装のルールも柔軟に見直しました。自己ブランディングを高めるため、それぞれの個性がより活きる形へとアップデートしています。また、掃除や練習、営業に対する考え方も少しずつ変化させてきました。SNSに関しては、後輩のほうが感覚やスピードに優れ、実際に結果も出してくれているので、その強みを認め、しっかりと伸ばしていきたいと考えています。

 

一方で、日々の接客においてお客さまを不快にさせてしまう行動や、自分本位で周囲に影響を及ぼすような場面があれば、管理職のスタッフと連携しながら、必ず本人に向き合って伝えるようにしています。そしてもう一つ大切にしているのが、顧客さまと長く信頼関係を築いていく力。それこそが、美容師として欠かせない本質だと考えています。

 

 

この会社で先輩方から教わったのは、ベーシックな技術だけではありません。自分らしくあることの大切さや、得意分野を活かして人を喜ばせること、そして人としてどう在るべきかという本質的な部分です。それらが身につけば、美容師として長く安定して活躍し続けられると感じています。だからこそ、後輩たちにあえて言葉で伝えすぎるのではなく、自分の背中を通して、何かを感じ取ってもらえたら嬉しいと思っています。

 

過去の経験に縛られることなく、常に学び続けること。その中で、かつて自分がそうしてもらったように、一人ひとりの“自分らしさ”の可能性を引き出し、次の世代へと繋げていきたい。目の前のお客さまとスタッフを大切にしながら、自分自身も、そして組織としても、成長し続けていきたいと考えています。

 

プロフィール
丸岡奈央(まるおかなお) middle 代表取締役
兵庫県出身。大阪の高津理容美容専門学校を卒業後、上京。都内1店舗を経て、代官山のサロンに入社。ショートヘアに特化したスタイルで頭角を現す。作品撮り、SNS発信を積み重ねながら顧客を拡大。20代後半から約10年間トップスタイリストとして活躍を続ける。現在は代官山エリアで3店舗を展開するサロンの代表取締役として経営にも携わる。
Instagram@naomaruoka.middle

 

(文/リクエストQJ編集部 撮影/宮崎洋)

 

 

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