代官山の女性サロン経営者・丸岡奈央。ショートを武器に大人顧客から厚い信頼を集め、長年第一線で走り続ける。その原動力は「自分らしさ」と「育てる責任」

代官山で3店舗、約20名のスタッフを率いる経営者でありながら、現場に立ち続けるトッププレイヤー。そしてmiddle(ミドル) 代表取締役の丸岡奈央(まるおかなお)さん、37歳。「多くを語らなくても、信頼される美容師でいい」。その静かな哲学は、やがて“大人女性に選ばれ続ける理由”へと変わり、揺るぎない支持を築いてきました。
そんな丸岡さんのキャリアの原点は「ショートヘア」。自分らしさを貫き続けた先にあったのは、“長く通うお客さまとの関係性”でした。“売上”でも“評価”でもない。丸岡さんがたどり着いた答えを伺いました。
「もう一度、美容師として」覚悟を決めた再スタート
――美容師を目指したきっかけは?
特別なきっかけがあったわけではないんですけど、小学校高学年くらいからずっとショートヘアで、自分で髪を切っていました。ちょうどその頃にカリスマ美容師ブームもあり、雑誌やテレビで有名な美容師さんたちを見て、『こういう世界があるんだ』と知って。 “この人になりたい”というよりは、“この仕事がしたい”という感覚のほうが強かったです。地元の美容学校を卒業してから、就職のために上京しました。
しかし、最初に就職したサロンは、入社からわずか3カ月で退職することになりました。想像をはるかに超える厳しい環境で、同期15人も次々と離れていく状況。ある程度覚悟していたものの、そこで働き続けるという選択には至りませんでした。

――そこからどう立て直したんですか?
その後は、アルバイトをしながら1年間過ごしました。改めて美容師として働きたいという思いから、代官山エリアを中心に就職活動を進めていましたが、「3カ月で退職した」という経歴が影響し、思うようにいかないことも。それでも、美容師の道だけは諦めきれませんでした。
そんなときに、たまたま代官山で新しくオープンする美容室を知り、面接を受けたのが、この会社です。当時は『SHE DAIKANYAMA』という名前のサロンで、 “もう次はない”という覚悟で、自分の気持ちをそのまま伝えました。担当の方もすごく真剣に話を聞いてくださって、その場で採用が決まったんです。もう一度、美容師としてスタートできる。そのことが、本当に嬉しかったのを覚えています。
