【30歳、覚悟を決めて東京へ】作品撮りにのめり込み、JHAにチャレンジし続ける美容師・成田堅太朗の居場所をつくるという選択。「憧れ」がすべてを動かした!
モデルありきでつくる、リアルなクリエイション
――作品づくりにおいて大切にしていることは?
まずモデルさんありきで考えます。僕の場合は、作品づくりの過程で、必ずカットやカラーをさせてもらうんです。自分のデザインにフィットさせるためには、それが必要不可欠なので。ただしどこまで切れるかは、しっかり話し合って、お互い納得した上で進めていきます。自分からモデルを探してオファーすることもありますし、元々お客さまとして通っていただいていた方がモデルになるというケースもかなりの頻度であります。
作品のテーマに関しては、最初から強く決めることはあまりないですね。まずはその人に似合うヘアスタイルを考える。そのあとにテーマを後付けすることが多いです。作品はチームでつくっていくものなので、カメラマンやメイクの意見も取り入れながら、最終的な形にしていく。そのプロセスがすごく面白いと思っています。

2023年 東京ヘアドレッシングアワード、準グランプリ作品
――SNS全盛の今、作品撮りの価値については?
僕は、もしクリエイションをしていなかったら、ごく普通の美容師だったと思います。でも、クリエイションを続けてきたからこそ成長できたし、全国に仲間もできました。そして JHA という舞台で、仲間とたくさんの感動を共有することもできました。クリエイションがきっかけで、自分の美容師人生はとても豊かになったと感じています。
時間もお金もかかりますが、それでも何者でもなかった自分が業界誌やコンテストで評価していただけることには、やっぱり特別な価値があると思っています。
SNSでしっかり結果を出している方、オシャレな発信をされている方々は本当にすごいし、心から尊敬しています。だからこそ、これからはクリエイションとSNS、どちらもリンクさせながら自分なりの表現を続けていけたらと思っています。

――最後に、これから目指す姿を教えてください。
ゴールは、まだ先にあります。でも、作品をつくり、サロンを育てていく中で、人が自然と集まってくるような存在にはなりたいと思っています。そして、ここで働くスタッフ一人ひとりが「この場所を選んでよかった」と思える環境をつくり続けること。それが、自分にとってのひとつの答えなのかもしれません。これまでの選択が、誰かの未来を後押しできるような、そんな仕事をしていきたいです。

岡山県出身。岡山ビューティモード専門学校卒業後、地元サロンに勤務し、数々のコンテストで入賞を果たす。28歳頃から本格的に作品撮りを開始し、表現の幅を広げるため30歳で上京。フリーランス美容師として活動する傍ら、ヘアメイクスクールで学び、撮影におけるクリエイティブ力を磨く。2017年、同郷の小島翔太氏とともに代々木八幡に「N」をオープン。現在は清澄白河「horn」を含む2店舗を展開。2024年、2025年にはJHA東京エリア最優秀賞を連続受賞するなど、作品づくりを軸に高い評価を獲得している。
instagram:@n_narita0903
(文/石田雅子 撮影/宮崎洋)