【銀座発・吉田ケン】サロンオーナー歴32年。58歳にしてマンツーマンサロンで再出発したドラマチックな美容人生! 原点に立ち戻って挑む、新たな挑戦とは

 

美容師人生の最終章は?顧客さまへの感謝は来年、カタチに

 

 

自分のお店を手放すことにはなりましたけど、今でも弟子たちと飲むと、「師匠の言葉で心に残っているのはこの言葉です」とか言ってくれるんです。そういうのが本当に嬉しいんですよね。過去に途中でトンズラしてしまったスタッフが、「あのときはすみませんでした」って泣きながら会いに来てくれたときも、すごく嬉しかったですし。最終的には、自分が棺桶に入るときに「いろいろあったけど、吉田ケンに育ててもらったことは意味があった」と彼らが思ってくれたら、それでいいなと思っています。

 

 

自分の美容師人生の最終章がどんな形になるのかまだ分かりませんが、その引き出しの大きさはこれからもっと広くしていきたいなと思っています。具体的に何をしていくかはまだ模索中ですが、これからはシェアサロンが進化してそこで働く美容師もますます増えてくると思うので、外部で技術を学ぶ美容師も増えると思うんですね。そう考えると、アカデミーなんかができたら理想かな、なんて思っています。あとは、他業種への挑戦も面白そうだなと考えていて。

 

 

来年は、銀座でバーをオープンする予定なんです。一般向けのバーではなく、顧客さま向けの会員制のバーです。20年、30年とずっと通い続けてくださっているお客さまには本当に感謝の気持ちでいっぱいなので、違う形でのサービスを提供したいなと思っているんですよ。赤字にならなければ、そこは利益が出なくてもいいかなと思っていて(笑)。やりたいことはいくつかあるので、近い未来にいろいろと形にしていきます。僕は今62歳ですが、まだまだ頑張っていきますよ。

 

プロフィール
吉田 ケン
『una』総合プロデューサー、美容コンサルタント、
1962年生まれ、東京都出身。都内有名店1店舗を経て、1988年に独立。東京・北千住で出店をスタートし、2005年銀座に『EGO』をオープン。唯一無二のラグジュアリーサロンとして認知され、2011年に2店舗目を出店。集客サイト10年連続1位を獲得する人気サロンへと成長させるが、紆余曲折を経て2020年末に自ら退く。その後、1年間のフリーランス美容師を経験したのち、銀座のサロン『una』に総合プロデューサーとして参加。現在はそこでサロンワークをしながら、美容室のコンサルティング業や講師活動を行っている。JHA、H1グランプリなど数多くのヘアデザイン賞を受賞。著書に『美容室レセプションナビ』(新美容出版)がある。
インスタグラム@kenyoshidaego

(文/織田みゆき 撮影/宮崎洋)

 

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